あらすじ
若い編集者・小泉(白石隼也)に、『アンクル・トムズ・ケビン』のほかに『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の翻訳原稿を手渡した花子(吉高由里子)。だが出版社から、日本では知名度が低いという理由で、『アン~』の出版は断られてしまう。残念がる花子だが、英治(鈴木亮平)に励まされ、思いを新たにする。そんな折、JOAKの黒沢(木村彰吾)から電話が入る。久しぶりにラジオに出演して欲しいとの依頼だった…。
148回ネタバレ
村岡家
居間
小泉「こちらは?」
花子「『ANNE of GREEN GABLES』。 直訳すると 『緑の切り妻屋根のアン』です。」
梶原「誰の作品?」
花子「カナダの ルーシー・モード・モンゴメリです。」
小泉「ルーシー・モード・モンゴリ?」
花子「モンゴメリ。」
梶原「私は その作家の作品は 読んだ事はないが 村岡先生が薦めるんだ。 きっと面白いに違いないよ。」
花子「主人公の少女が 欠点だらけなんですけど とても魅力的で ものすごく面白いんですよ。」
小泉「社長と相談してみます。」
花子「はい。 よろしくお願いします。」
<花子が 空襲の中 命懸けで守り 翻訳した物語が いよいよ出版されるのでしょうか。>
玄関
小泉「ごめんくださ~い。 村岡花子先生! 小鳩書房の小泉です。」
居間
花子「どうぞ。」
小泉「先日 お預かりした 原稿なんですが…。」
花子「あっ いかがでしたか?」
小泉「『アンクル・トムズ・ケビン』は 是非 出版させて頂きたいと思います。」
花子「『ANNE of GREEN GABLES』は?」
小泉「僕は すごく面白いと思いました。 主人公の女の子が 本当に魅力的で。 でも…。 今回は 見送らせて下さい。 ルーシー・モード・モンゴメリという作家は 日本では知名度もありませんし 出しても厳しいだろうと 社長の判断で…。」
花子「そうですか…。」
小泉「弊社も まだ 冒険できる状況ではなくて…。 本当に申し訳ありません。」
花子「いえ しかたのない事ですから。」
小泉「では 組み版が出来ましたら また お持ちします。」
花子「はい。 よろしくお願い致します。」
書斎
花子「(ため息)」
英治「駄目だったのか。」
花子「ええ…。 スコット先生との約束を 果たせると思ったんだけど…。」
英治「がっかりする事はないよ。 もう 戦争は 終わったんだ。 これから いくらでも 出版する機会は来るさ。」
花子「英治さん…。」
英治「あれだけの空襲を くぐり抜けてきたんだ。 花子さんの思いを乗せて このアンの物語が必ず 日本中の少女たちの手に 届く日が来るさ。」
花子「そうね。 私 諦めないわ。」
英治「うん。」
(電話の呼び鈴)
英治「僕が。」
花子「あっ お願いします。」
英治「花子さん。 JOAKの黒沢さんから。」
花子「黒沢さんから?」