無頼鮨
アユミ「そうか ついにデビューするんやな。 おめでとう!」
小野寺「でも あれだね 子どもが大きくなったら GMTのコンサートとか 連れてこれるね。」
しおり「それ いいね!」
喜屋武「それまでやってるかな?」
小野寺「やってるよ ぜってえやってるべ。」
しおり「うん まだ始まってもないから。」
喜屋武「そっか。」
しおり「『そっか』じゃないよ。」
真奈「大将! あと おすし3人前。」
しおり「まだ食べんの? びっくりだな!」
アキ「あの~ 大将。」
梅頭「出世払いでいいよ。」
アキ「すいません。」
しおり「イエ~イ! 食べよう 食べよう!」
レコーディングスタジオ
荒巻「普通だね。」
河島「『普通』ってのは つまり?」
荒巻「よくも悪くもないという事だ。」
河島「なるほど。」
水口「もともと この曲は 彼女たちの持つ素朴さを 前面に押し出して。」
荒巻「素朴と言ってないよね。 普通と言ったんだ。」
水口「すいません。」
荒巻「普通が 一番つまんないと 思うんだよね。 要するに 引っ掛からないって事だろう? 例えばさ さっき俺 袋とじ開けながら聴いてたんだ。 頭に 全然入ってこないんだよね。 その時点で もうアウトでしょ。 ユーザーは そういうのに 金 落とさないぜ。 もっと クレバーだぜ。」
水口「すいません。」
荒巻「…で どうすんの?」
水口「あ とりあえず 彼女たち 呼び戻して。」
荒巻「そんな時間ないよ 悪いけど。 今日の最終の便で 上海 行かなきゃなんないんだから。」
水口「…。」
荒巻「黙るなよ 今やれる事やんないと。 ちゃっと回しといて! こっから 太巻マジックだから。」
黒川家
春子「おはよう!」
黒川「おはよう!」
春子「新聞は?」
黒川「テーブルの上にあるだろう。」
春子「うん? 何? これ。」
黒川「ああ バイク便で届いてたみたいよ。」
<実家に届いた GMT5のデビュー曲『地元に帰ろう』のCD>
♬~(『地元に帰ろう』)
春子「何? これ。」
春子「(ため息)」