黒川家
黒川「何か やだな…。」
アキ「何が?」
黒川「だって この前も こんな感じで 春子さん 結局 2年近くも 帰ってこなかったんだよ。」
アキ「心配ねえって 一段落したら帰るって…。」
黒川「しかも 前は 嘘だったけど 今回は お母さん ホントに倒れた訳でしょ? 2年じゃ済まないよ。 やだ。 何か やだ あ~ すごく やだ。」
北三陸駅
大吉「いや 器は 小さい。 うん。 でも だからこそ 小回りが利く。 タクシーの走行距離見て 驚いたよ 38万kmだぞ! 料理もうまい 空手も強い ベストも似合う 完璧だべ。」
吉田「駅長 それでいいのかよ。」
大吉「春ちゃんを幸せにできるのは マサなんだ。 俺なんか 一生陰で やもめ暮らしさ。 愛読書は 浅田次郎の『鉄道員(ぽっぽや)』さ。」
吉田「それでいいのかよ 大吉さんよ!」
大吉「離せ! 離せって 吉田君!」
吉田「おらが 今まで 一体どんな思いで 独身貴族を気取ってきたのか! あんた 分かってんのかよ!?」
大吉「吉田君!」
吉田「副駅長が 駅長より先に 幸せになっては駄目だって 駅長が身を固めるまで 独身を貫くぞって! 頑張ってきたんだど!」
大吉「でも 結婚したね。」
吉田「うう…。」
大吉「観光協会の栗原ちゃんと。 割と あっさり追い越したね。」
吉田「…ええ。」
大吉「しかも 何? おめでたなんだって?」
吉田「…ええ。 お祝いは現金で ひとつ。」
吉田「うわ~!」
喫茶・リアス
春子「何?」
吉田『駅長!」
春子「何!?」
吉田『駅長! 給料の3か月分!」
大吉「アハハハハッ!」
春子「何 何?」
大吉「結婚指輪 線路さ ぶん投げてやった。 ハハハハッ!」
2人「え~!?」
大吉「ウーロン茶ロック。」
菅原「先輩 春子さん しばらく こっちさ残るみたいですよ。」
大吉「じぇじぇ!」
春子「夏さんが退院するまでは 何が起こるか分かんないしさ いくら みんなに 慕われてるからって 親族 私だけだかね。」
大吉「駄目だ。」
春子「え?」
大吉「帰ってやれ 春ちゃん 夏ばっぱの事は おらたちに任せろ。」
春子「そうはいかないよ。」
大吉「駄目だ 帰れ! アキちゃんとマサには 春ちゃんが必要なんだ!」
春子「マサ?」
ユイ「いらっしゃいませ。」
春子「え?」
ユイ「ご注文は?」
勉「ウイスキー ロック。」
菅原「あっ ああ スナックタイムか。」
春子「そうだ。」
菅原「んだら ビールっこ 1本もらうかな。」
春子「私も ビール。」
ユイ「はい。」
大吉「ウーロン茶ロック。」