連続テレビ小説「あまちゃん」126回「おらたちの大逆転」

天野家

(せみの鳴き声)

春子「うん? 嫌だ 私 何か いつの間にか寝てた。 よいしょ!」

夏「何だ? これ。」

春子「あ 東京から送ってきたの。 台本よ。」

夏「そりゃ見れば分かるべ おらだって。 何の台本かって聞いてんだ。」

春子「アキが映画に出るの 言ったでしょ。」

夏「ああ それが! ああ。」

春子「すごいと思わない? あのアキがよ 鈴鹿ひろ美と ダブル主演だって。 あの地味で暗くて存在感も… あれ何だっけ? 地味で暗くて…。」

夏「思い出さなくていい。」

春子「そうだね ヒロインだしね。」

夏「なかなか 悪ぐねえ本だぞ。」

春子「え? 読んだの?」

夏「ホホホホ! ハハハハ!」

スピーカー・かつ枝『海女クラブの皆さん 明日予定どおり 海女の口開けを 執り行います。 海女クラブの皆さんは旧漁協 海女カフェ前に 明朝5時に お集まり下さい』。

夏「あ~あ 本気獲りかあ。」

春子「いいから寝てなよ。」

夏「潜り始めて60年近(ちけ)えが 本気獲りさ 行がねがったのは 初めてだ。」

春子「嘘! おととし アキに譲ったじゃん!」

夏「ああ!」

回想

安部「アキちゃん 取れたか?」

アキ「取れた~!」

安部「アキちゃん ウニ取った!」

夏「ハハハ!」

春子「何 何 取ったの? 取ったの? ちょっと見して ちょっと どいて どいて!」

夏「あ~!」

回想終了

夏「ハハハハ!」

春子「何よ。」

夏「たった一個でよ ハハハ! みんなして大騒ぎして。」

(笑い声)

春子「そうだね! 麦茶でも飲むか!」

夏「おう ありがとう。」

春子「あんな子いないよね!」

夏「んだな。」

春子「あれ? 何か言った?」

夏「何が?」

春子「言ってないよね? いや 何でもない 何でもない! アキね!」

夏「ヘヘヘ! あ~。 あ~! 潜りてえな。」

春子「来年は潜ってるよ 絶対!」

夏「どうだか。」

春子「はい どうぞ。」

夏「ありがと!」

夏「ところで おめえ いづまで 居る気だ?」

春子「いつまで居てほしい?」

夏「ふん! 居たいだけ居ればいい。」

春子「じゃあ そうする。」

夏「おう~。 あ~!」

北三陸駅

<年に一度の本気獲り。 今年は ユイちゃんが 参加しました>

大吉「ウニを4つ 取りました~!」

(歓声)

吉田「この貴重なウニを はい 3,000円から!」

(競りの声)

ヒビキ「4万円!」

吉田「4万円!」

<相変わらず セコいけど みんな元気で 何よりです。>

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