浜
夏「ああ アキ アキ! ほらほら行くぞ!」
アキ「はい!」
<放課後 アキが合流し 接客しながら素潜りの練習>
<夜のスナックタイムは 少々複雑です。 まず 月曜と水曜は 春子と弥生が店に出るため アキは夏ばっぱと晩御飯を食べる>
天野家
アキ「うめえ!」
夏「ヘヘヘヘッ どんだ。 うめえか?」
アキ「うめえ!」
<火曜と金曜は 夏と美寿々が店に出るため アキは 春子と晩御飯>
春子「学校どうだった?」
アキ「朝会でね 先生が ずっと鼻毛出てんの。」
春子「うわっ マジか…。」
アキ「先生たち すっごい形相だった。」
春子「アハハハハッ!」
<木曜と土曜は 夏と春子が店に出ます。 アキは 一人で晩御飯>
アキ「アハハハッ!」
スナック・梨明日
弥生「おらの父ちゃんよ…。 樺太で死んだんだ!」
<そして 日曜 弥生と美寿々に店を任せ 3人で夕食を食べます>
天野家
夏「東京じゃ 専業主婦だったんだべ?」
春子「そうですけど? 毎晩 こんな手の込んだもん 食ってたのか?」
アキ「そうだよ。 グラタンとか ドリアとか ソースから作るし 餃子も皮から作るし 和食も ブリ大根とか得意だよね。」
春子「うん。」
アキ「パパ何でも作れんだ。」
アキ「パパ?」
春子「…何よ。」
夏「えっ とうちゃんが 晩御飯作ってたのか?」
アキ「そうだよ。」
春子「あの人ね 趣味が全然なくて ゴルフも釣りも 途中で やめちゃったんだけど 唯一 続いた趣味が料理なの。 だから やらせてあげたの。」
夏「そんなら スナックさ出る日以外は 春子に作ってもらうべ。 それからな アキ。」
アキ「何?」
夏「今日 組合長と しゃべって 潮の流れが そろそろ変わっがら 明日から アキは 夕方4時までな。」
アキ「えっ!? 1時間しか潜れないじゃん!」
夏「安全第一だ。」
アキ「みんなは?」
夏「みんなは 今までどおり 6時までさ。」
アキ「え~! 何で アキばっかり…。」
夏「危ねえからだ。 1時間で足んねえなら…。(小声で)学校サボって…。」
春子「駄目よ。」
<アキは いよいよ焦っていました>
夏「うめえな! うめえ!」
浜
9月に入ると 水温は 日に日に低くなり 潜れる時間も短くなります>
美寿々「持って帰る?」
<このまま 夏が終わってしまったら どうしよう。 ウニ 一つ 満足に取れないで 果たして 海女と言えるのか>
かつ枝「これ アキ! ちょっとは休まねえと 足取られっぞ!」
弥生「まだ若えから大丈夫だ。 アキ! 入り江から外さ出んなよ! 潮の流れ 急だからな!」