連続テレビ小説「あまちゃん」14回「おら、友だちができた!」

<初めての経験でした。 すっかり 体の自由を奪われ 浮き上がる事すら 出来ません>

夏「アキは?」

かつ枝「アキ? そこで潜ってて… あれ? どこ行った? アキ! アキ~!」

弥生「アキ!」

夏「あそこだ!」

かつ枝「あそこにいる!」

美寿々「アキ~!」

美寿々「大丈夫か!?」

アキ「美寿々さん ありがとう!」

美寿々「落ち着け。 はあ~ はあ~。」

漁協

弥生「ほれ 暖まれ 暖まれ。」

アキ「ありがとう。」

春子「アキ? あんた 大丈夫なの!?」

アキ「ごめん ママ。 ちょっと 沖に 流されただけだから。」

春子「ああ…。」

安部「ケガしたって聞いたから…。」

アキ「あっ 違う違う。 足に 昆布が絡まっただけ。」

夏「笑い事でねえど! アキ! ゆうべ 何つった? 4時になったら上がるって 約束したべ。」

アキ「ごめんなさい。 でも 美寿々さんも一緒…。」

夏「言い訳すんでねえ! なんぼ 美寿々でも 波さ のまれたら 助けられんぞ! しかも おめえ 入り江の外さ出たな!?」

アキ「だって あっちの方が ウニも いっぺえいるし…。」

夏「危ねえから おらたちも めったに行がねえんだ! だから ウニが いっぺえ いるんだ! おめえみたいな あまちゃんには 100年早えよ!」

弥生「夏ばっぱ 目ぇ離した おららも 悪いんだから 今日のところはよ。」

夏「アキ もう おめえ 浜さ来んな。」

アキ「え…。」

夏「出入り禁止だ!」

春子「ちょっと お母さん。」

夏「海さなめてかかる奴 目上の人間の言う事 聞けねえ奴は 潜る資格ねえ! 海女失格だ!」

春子「いやいや ちょっと待ってよ! 危ない目に遭って 学ぶ事があるって あなた この間 言いましたよね? それなのに もう 辞めさせるんですか!?」

夏「あん時と今日とは違うべ。」

春子「何が!? 全然分かんないんだけど! アキは 一生懸命 海に潜ってただけじゃん。 たった一回のミスぐらいでさ。」

夏「たった一回で 命を落とす事があんだ!」

春子「何それ 分かんない!」

夏「何が!? 何だ おめえだって アキが 海女になりてえって言った時に あんなに反対したくせに!」

春子「あん時と今は違うでしょうよ。」

夏「何が!?」

春子「こっちで暮らすって 決めたでしょ! 海女になりたくて あんたたちと 一緒に 海に潜りたくて アキは こっちに残る事にしたんです! 東京の生活を捨てる 決心をしたんです! そんなアキから 一番の楽しみを 奪うんですか!? あんた!」

アキ「ママ やめて!」

春子「そういうね ねえ 理不尽で 一方的で矛盾だらけの態度が これくらいの娘にとって こう… どうんだけ つらい事か あんた 全然分かってないでしょ!?」

夏「ハッハッ。」

<途中から 春子自身も 何に対して怒っているのか 分からなくなりました>

春子「矛盾だらけなのよ あんた!」

<春子も分からないものが アキに分かるはずもなく せっかく仲直りしかけた 母ちゃんと ばあちゃんが 自分のせいで また けんかしている。 その事が ただ悲しかったのです>

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