天野家
春子「何か 変な感じ。 自分の部屋に 鈴鹿ひろ美が居るなんて。 楽しかったですか? 今日。」
鈴鹿「はい。」
春子「吹っ切れた?」
鈴鹿「はい。」
春子「私も。」
鈴鹿「それは よかった。」
北三陸駅
ユイ「知ってた? 明日 全国放送のテレビも 來るんだって。」
アキ「うん。 ママに聞いた。」
ユイ「フフフッ アキちゃんは平気だよね。」
アキ「うん。 ユイちゃんがいるがら 怖ぐねえ。 東京では 一人だったがらな なまってる方だけじゃ 潮騒のメモリーズって言えねえべ。 もちろん かわいい方だけでも駄目だ。 2人そろうのは 何年ぶり?」
ユイ「3年ぶり。」
アキ「3年か…。 長かったような あっという間だったような。」
ユイ「私は長かった。」
観光協会
ヒロシ「あっ! ちょ… ちょっと 種市君! アキちゃんの方ばっか 描かないでよ!」
種市「え? んな事ねえです。 自分 平等に描いてます。 絵の具だって 5食ずつ使ってます。」
栗原「いや… ほれ 早ぐしねえと 朝になるから。」
春子<そして 翌朝>
天野家
スピーカー・鈴鹿『海女クラブの皆さん おはようございます』。
アキ「じぇじぇ! この声は…。」
スピーカー・鈴鹿『袖が浜海岸 海開きを行います』。
春子「どう? びっくりした?」
アキ「サプライズだ…。 超サプライズだ!」
海女カフェ
鈴鹿「海女クラブの皆さん おはようございます!」
3人「おはようございます。」
鈴鹿「海女クラブの皆さんは 速やかに 旧漁協前 海女カフェ前に集合して下さい。 7時より 安全祈願のご祈祷を行います。」
荒巻「鈴鹿さん 僕たちも 7時の新幹線に乗って…。」
鈴鹿「繰り返します。」
天野家
(鈴の音)
♬~(『いつでも夢を』)
春子「じゃあ行くね。」
アキ「もう行ぐの?」
春子「うん。」
アキ「せめて 開通式 見ていけばいいのに。」
春子「やめとく。 いろいろ 思い出しちゃうから。」
アキ「そっか。」
春子「頑張ってね!」
アキ「うん!」
春子<2012年7月1日 私の故郷 北三陸が 大きな一歩を踏み出します>