連続テレビ小説「あまちゃん」18回「おら、友だちができた!」

漁業協同組合

(ため息)

美寿々「アキちゃん!」

夏「何の用だ? 來んなって 言ったはずだぞ。」

アキ「夏ばっぱ。 やっぱ おら 潜りでえ。 海さ潜って ウニ取りでえ。 このまま 海女辞めだぐねえ。 だから また教えて下さい。」

夏「駄目だ。 おめえは 海をなめてる。 まだ ガキだ。 また 波さ のまれて 溺れる。」

アキ「もう ぜってえ溺れねえがら。」

夏「駄目だ。」

アキ「なすて?」

夏「おめえは 海女である前に おらの 大事な孫だ。 死なれたら困る。」

かつ枝「もし おらに 気 遣ってんのなら 余計な お世話だぞ 夏ばっぱ。」

春子「え 何? 何で かつ枝さんに 気 遣うの?」

長内「ああ そうか。 春ちゃん 知らねえんだな。」

かつ枝「おらの せがれも 波に のまれたのしゃ。」

アキ「え?」

春子「え? 克也君が。 いつの話?」

かつ枝「16年前か?」

春子「え?」

長内「ほら ここさ居た。」

かつ枝「地引き網の漁師でな しけだの 嵐だの 何べんも 危ねえ目に遭って それでも助かって。『母さん大丈夫だ おら悪運が強えがら』なんて 笑ってたんだけんど。」

回想

克也「何だ わらす! 何 泣いてんだ。」

克也「よっしゃ おにいさんが 取ってきてやっから。」

回想終了

春子「そういえば…。 そういえば 見ないなと 思ってたの。」

かつ枝「そういえば 見ねかったろ? フフ!」

春子「ごめんね かつ枝さん 私 何にも知らなくて。」

かつ枝「いやいやいや。 もう おらたちも ふだんは ほとんど忘れて 暮らしてんだから。」

夏「いいか アキ おめえがウニ1個 取れても取れなくても たった 500円の違いしかねえんだ。 その たった500円のために おめえ 危うく 命を落とすとこだったんだぞ。」

アキ「ごめんなさい。」

夏「たった 500円と引き換えに 命を奪うのが海だ。 甘く見るんでねえ!」

アキ「ごめんなさい!」

夏「残された人間の つらさ 考えろ。 先輩たちの 言う事聞くか?」

アキ「はい!」

夏「入り江の外さ 出ねえか?」

アキ「はい!」

夏「よし! そんなら こうすっぺ。 今月で 海女のシーズンは終わる。 今月中に ウニ1個でも 取れたら おめえを 海女として 認めてやる。」

アキ「やった~!」

夏「そのかわり 取れねがったら 二度と潜らせねえぞ。」

アキ「じぇじぇじぇ!」

かつ枝「よ~し! おらたちも アキが ウニ取れるまで 潜っぺ!」

弥生「よし!」

美寿々「んだな! しゃっこいだの 潮が速えだの 言ってらんねえ! 明日から ビシビシいくど!」

アキ「やった~!」

美寿々「今から潜っど~!」

<こうして アキは めでたく謹慎が解け 海女クラブに復帰しました。 一方 観光協会には 例の面倒くさい 青年が やって来ました>

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