スナック・梨明日
大吉「どうだい!? まぶしすぎて 直視できねえだろう。」
黒川「あいつも海女だったんだ。」
弥生「いや アキと違って 海さ潜ったりしなくて 接客したり 歌っこ歌ったりよ。 何しろ 高校生で 人気あったからよ。」
美寿々「ちょうど 私が結婚して 後継者が いねがったのよね。」
菅原「だけど 春ちゃんは 東京さ行っで 歌うたいになるって言ってた。 周りは みんな いくら何でも 無理だべって語ってたけど 本人は 至って本気だったな ねえ 先輩!」
大吉「おらが北鉄さ就職したあと たまたま 3人で会ったんだ。」
回想
1984年(昭和59年)
菅原「あ~ チュッス! 先輩 チュッス! 天野君 連れてきたっす チュッス。」
大樹「お~ 相変わらず スカート長(なげ)えな。『忠臣蔵』か?」
春子「うっせえ ノッポ。 関係ねえだろ。」
大吉「天野 おめえ 高校卒業したら どうすんだ?」
春子「東京さ行って 芸能人になる。」
大吉「バカも休み休み言え! いつまで おめえ そんな夢みえな話!」
春子「夢じゃねえよ。」
大吉「何?」
春子「歌番組に デモ送ったもん。」
大吉「デ… デモ?」
春子「知らないの? 土曜の夕方にやってる 素人参加のオーディション番組!」
菅原「あ~! あの… スターがどうしたってやつ?」
大吉「『スター千一夜』か?」
菅原「いやいや いやいや!『君とか スターだ』?『君まで スターだ』? あれ?」
春子「あげるよ そのデモテープ。」
大吉「いいの? いいのか?」
春子「私が有名になったら高く売れるよ。」
回想終了
天野家
春子「あっ あった~! ホント 宝の山だわ ここ。『君でも スターだよ!』っていう 番組があったの 土曜日の夕方。 聖子ちゃんとかも ゲストに出ててさ。 ついでに 何本か ダビングして みんなに配ったの。 フフフッ 痛いよね。」
アキ「ううん。 でも 随分 積極的っていうか 今のママからは想像できない。」
春子「聴いてみたりして…。」
アキ「えっ…。」
春子「いやいや… 無理 無理 無理。」
アキ「聴かないの?」
春子「えっ 聴きたいの? いやいや いやいや 無理 無理 無理 無理…。」
アキ「そうだよね。 じゃあ 今度でいい。」
春子「うん。 …とか言っちゃってさ ママがいない時に こっそり聴いたりするんでしょ?」
アキ「ヘヘヘッ…。」
春子「じゃあ… 今 聴いちゃおっか!」
アキ「いいの?」
春子「いくよ。」
<残念! 時間切れです! 15分って短いですね~。 …という訳で 明日 ちゃんと聴きましょう>