連続テレビ小説「あまちゃん」45回「おら、ドキドキがとまんねぇ」

観光協会

ユイ「何で お父さん いるんだろう?」

ヒロシ「北三陸 畑野間の所要時間が 約1時間ですので 往復2時間 飲み放題で どうでしょうか?」

菅原「値段は?」

ヒロシ「あっ…。 え~ 1人1万円。」

功「高いなあ。」

ヒロシ「でも 車内の改装費もかかるし 食事も お酒を出す訳ですから それぐらいは…。」

功「お前はね 消費者の気持ちが分かってない。 気軽に参加できるのは せいぜい 5,000円ぐらいだろう。」

ヒロシ「それじゃあ 赤字ですよ。」

功「お前は黙ってろ。 発案者は私だ。」

栗原「北三陸鉄道25周年を記念して お座敷列車が走る事になったの。」

アキ「座敷が走るんですか?」

栗原「ううん。 車両を座敷に改装するの。 畳みを敷いてね。」

アキ「電車の中に誰かが住むんですか?」

栗原「うん? 落ち着いて アキちゃん そうじゃないの。」

ユイ「座敷わらし。 座敷わらしが走るんですよね?」

アキ「そうなんですか!?」

栗原「あれ? そんなに難しい事 言ってる? 私。」

大吉「まあ 実物を見れば ピンと来るだろう。 とにかく 3月に そういうイベントを企画してるんで 是非 協力してほしい。」

菅原「北鉄と2人の ファンの集いだね。」

功「お父さん考えたんだぞ。 すごいだろ~。」

池田「その お座敷列車を 準備段階から うちの番組が リポートします。 という訳で カメラ回してます。」

ユイ「じゃあ 今の座敷わらしのくだり カットして下さい。」

池田「は~い。」

吉田「でね 例によって 全国から お客さんが殺到すると思うんだ。」

大吉「もちろん 高校生だから 隣に座って お酌とか そういうサービスは できないんだけどね。」

功「何だ つまんないなあ…。」

ヒロシ「そのかわらい 往復2時間 ゲームやったり 一緒に 御飯食べたりするんだけど 君たち 2人から…。」

2人「JJガールズです!」

ヒロシ「JJガールズから 日頃の感謝を込めて…。」

ユイ「JJガールズって ださくない?」

アキ「えっ 何で?」

ユイ「お兄ちゃんが口に出して言ったら 超ださいって思っちゃった。」

アキ「じゃあ ウニ娘にすっか?」

ユイ「いいね。 略して ウニむす。」

ヒロシ「何でもいいよ!」

ユイ「何 切れてんの?」

ヒロシ「いや 切れてねえよ。」

ユイ「切れてんじゃん。」

功「やめなさい。 そういうのは うちで やりなさい。」

ヒロシ「ちょっと人気が出たからって 調子こいてんじゃねえぞ。 ブス!」

ユイ「はあ~!? ひどい! マネージャーが タレントに ブスって言う!? 許せない!」

ヒロシ「あ!?」

功「やめなさい! お前たちは兄弟なんだから!」

ユイ「謝ってよ。」

ヒロシ「すいませんでした~。」

ユイ「全然 謝ってない!」

ヒロシ「あ?」

功「やめなさいって言ってるだろ! やめなさい!」

功「大吉君 大吉君!」

吉田「泣いてるんですか? 駅長。」

大吉「何か みんな 北鉄のために 話し合ったり ぶつかり合ったりしてくれて…。」

ユイ「いや 別に 北鉄のためじゃ…。」

大吉「俺 うれしい! ホントに うれしい!」

功「大吉君ね まだ 廃線になると 決まった訳じゃないんだよ。」

アキ「廃線?」

大吉「そうなんだ…。 北鉄は今 廃線の危機にあるんだ。 俺たちの未来は このお座敷列車に 懸かってえるんだ!」

ユイ「重っ…。 すいません 続けて下さい。」

大吉「ごめんな 重くて…。 何だっけ? だから 日頃の感謝を込めて その 歌を1発…。」

喫茶・リアス

春子「歌!? アキが!?」

大吉「あの カラオケの機械 お座敷列車に積み込んでさ 最後に1曲 2人で何か歌ってくれたら 盛り上がるな~!」

吉田「何でもいいんですよ。 ♬『北三陸鉄道は(Wow Wow Wow Wow』」

ユイ「絶対 嫌です! そんなの。」

吉田「ユイちゃん 俺の事 嫌いなのかな?」

ヒロシ「さあ? 家では いつも あんな感じなんで。」

ユイ「そこ うるさいなあ…。」

吉田「絶対 嫌われるよ。」

大吉「ねっ いいよね 春ちゃん 1曲ぐらい。」

春子「本人次第だけどね。 ただ 約束は守って下さいね。」

大吉「うっ う~ん。」

春子「『うっ う~ん』じゃなくて! どんなに人気が出ても 観光客が押し寄せても 3月いっぱいで やめにするって 言ったよね。」

大吉「曲 決まった?」

春子「ちょっと 大吉さん!」

大吉「分かってますよ。 お座敷列車を最後に アキちゃんに 卒業してもらいます。」

春子「ごめんね。 北鉄が大変だって いう事は分かってんだけどさ それと これとは 話が別だからさ。」

アキ「…っていうかさ!」

ユイ「どうしたの?」

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