連続テレビ小説「あまちゃん」7回「おら、東京さ帰りたくねぇ」

スナック梨明日

大吉「ウーロン茶ロック! まさが 春ちゃんの お酌で飲めるとはな。」

春子「お酌って…。」

大吉「エッヘッヘッ。 夏ばっぱも喜んでらじゃ。 孫は 海女さん 娘は ママさんだものう。」

春子「週3だし 夏休みの間だけだからね。」

大吉「ウーロン茶ロック!」

春子「外で飲んだら 120円なのに。」

大吉「だけど 田舎も いいもんだべ。」

春子「どうだろ…。 私は やっぱり好きじゃないかも。」

回想

1984年(昭和59年)

大吉「これから 地方の時代だべ。 北鉄も通って この町も ますます活性化するべ。 もったいねえべ。」

春子「うるせえ。 一人で生きていくって決めたんだ。 どいて。」

回想終了

春子「田舎が嫌いっていうより 田舎にいた頃の自分が嫌い。 ついでに あのころの ださい自分を 知ってる人たちも嫌い。 もちろん 大吉さんも嫌い。  そういう人間関係イコール田舎だから。 私にとっては。 だから やっぱり 田舎が嫌いって事なのかな…。」

大吉「ウーロン茶ロック ダブルで!」

春子「はい 自分でやって ここ置いとくから。」

大吉「俺は あのころの春ちゃんが 好きだよ!」

春子「やめてよ 大吉さん 声が おっきい。」

大吉「構わねえ。 どうせ 2人っきりだべ!」

春子「いや…。」

大吉「あのころの春ちゃんが 好きだから! 春ちゃんがいた あのころの この町が好きだから おら 頑張ってんだ…。 北鉄が黒字だった頃 駅前さ ショッピングセンターがあって ポロシャツが飛ぶように売れてた頃 そのショッピングセンターの屋上に 新沼謙治が来た頃…!」

春子「大吉さん ちょっと落ち着いて。 はい ウーロン茶飲んで。 は~いはい は~い飲んで。」

大吉「あのころ みんな輝いてたっぺ! これからは 地方の時代が来る。 そう みんな信じてたっぺ! 明るい未来があった! よし! 歌うべ。」

春子「歌うの?」

大吉「おら この歌 聴けば あのころを思い出すんだ! 昭和59年 懐かしい青春時代 その景色の真ん中には いつも 春ちゃんがいました。 そんな 思い出の曲です! 聴いてけろ!」

♬(『GHOSTBUSTERS』)

春子「えっ? ちょっと待って これ? マジで これ!? 何で これ!?」

大吉「懐かしいべ。」

春子「懐かしいけど 懐かしければ いいってもんじゃ ないでしょうよ。」

大吉「ハハハハッ! ♬『(Ghostbusters)』イフ ゼア…。」

春子「歌えてないし…。」

大吉「♬『(Ghostbusters)』」

<それは 明らかに 選曲ミスでした。 でも 大吉さんの言った事は おおむね 真実です。 北鉄が開通した当初 誰もが未来を信じていた。 庶民の夢が かなうんだ。 田舎者だって やればできるんだ。 そんな希望がありました>

大吉「♬『(Ghostbusters)』」

<『GHOSTBUSTERS』のほかには 当時 こんな歌が はやっていました>

♬『咲かせて 咲かせて 桃色吐息』

♬『星空の下のディスタンス』

♬『I can’t stop The loneliness だれか救けて』

大吉「♬『(Ghostbusters)』」

<やっぱり 選曲ミスです>

大吉「はい 春ちゃんも!」

春子「♬『(Ghostbusters)』」

大吉「はい!」

勉「ゴ…!」

大吉「あっ いいや!」

大吉「♬『(Ghostbusters)』」

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