連続テレビ小説「あまちゃん」7回「おら、東京さ帰りたくねぇ」

天野家

アキ「(いびき)」

春子「えっ? ちょっと アキ どうしたの? 御飯の途中だよ。 どうしたの!? アキ!」

夏「疲れたんだべ。」

春子「えっ?」

夏「寝かせろ。」

春子「しょうがない…。 うっ うん1 は~い。」

夏「で? どうすんだ おめえ。」

春子「えっ?」

夏「アキ 置いて 東京さ帰るのか?」

春子「そうだ。 判子どこだっけ?」

夏「判子? 何に使うんだ?」

春子「離婚届。 私ね 離婚する事にしました。」

アキ「じぇ!(いびき)」

春子「あっ 知ったこっちゃないよね~。」

夏「結婚した事も 知らされてねえがらよ。」

春子「そっか。 そうですよね~。 タクシー運転手と結婚したの。 とっても いい人だったけど 別れます。」

夏「簡単に まとめたなあ。 気にすんな。 北三陸はな 離婚率の高さと ワカメの収穫高で有名なんだ。 要するに あれだ。 東京に帰る理由が 特に ねえって訳だ。 だったら 娘と一緒にいればいい。 ただし この家で暮らすんなら 生活費ぐれえは 入れでもらいでえなあ。」

春子「こっちで働けっていうの?」

夏「スナックだよ。 スナック梨明日で 雇われママでも やってみっが。」

春子「いやい や… いや 働くのはいいよ。 でも スナックは駄目。 私 ほら 会いたくない人 いっぱい いるし。 てか ほとんど会いたくないし。 変な噂立てられたら どうすんのよ!」

夏「もう 噂立ってるべ? 重でえ荷物 ガラガラ引きずって 日がな一日 パチンコ屋さ入り浸って。 だったらよ スナックでよ 噂する奴らから 金取ればいい。」

春子「母さん…。」

夏「よし 決まりだな。 今 おらと弥生と美寿々で 店さ やってるが 海女のシーズンになると さすがに きつい。 週3で どうだ? 時給1,000円で どうだ? 何だ?」

春子「何でもないけど…。」

<里帰りしてから 1週間 ようやく ほんの一瞬 春子は 娘の顔を見せました。 全く 面倒くさい娘です>

喫茶リアス

夏「つう訳で 新人だ。」

菅原「よろしぐ。」

夏「ちなみに バツイチだ。」

春子「余計な事 言わないでよ。」

菅原「でも いがったんでねえの 24年ぶりの新人海女誕生で。」

今野「ああ んだなあ。 海女の後継者不足は これ 深刻な問題だったなあ。」

春子「後継者じゃないですから。 アキは 夏休みの間だけですから。」

菅原「でも これで 北鉄の熱血バカ駅長も おとなしくなるんでねえか。」

今野「アハハハッ んだ んだ。 ほら お出ましだど。」

大吉「ここさ いたのか 観光協会のハゲ!」

菅原「ママ お会計。」

大吉「逃げる事ねえべ 協会長さんよ。 どうなりましたかね? ホームページの件は。」

菅原「おう ちゃんとやってますよ 先輩。」

今野「うん 何 ホームページ?」

大吉「んだ。 ネット上に 観光案内の窓口がねえって 何か月も前から 議題にあがってらったべ? 今どき ネットも使わず客呼ぼうと してらったべ このハゲ!」

菅原「いや 私は賛成なんですけど 市の許可が なかなか…。」

大吉「さっき 市の広報と しゃべった。『どんどん やってけろ』って。」

菅原「あ~ そうですか…。」

大吉「さては 菅原 おめえ パソコン使えねえな?」

菅原「ママ ちょうど280円。」

夏「はい。」

大吉「逃げんでねえ このハゲ!」

今野「ハッハッハッハッ!」

大吉「春ちゃん コーヒー。」

春子「コーヒーね。」

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