春子「何よ うるさいな! 何してんの。」
弥生「何が 女子アナだ!」
夏「おめえらみでえな 夫婦なら いがったんだがな。」
弥生 今野「え?」
夏「ふだんから 誰にも はばからず つかみ合うような夫婦なら 心配ねえ。 ところが おめえの母ちゃん 完璧主義だべ。 才色兼備にして 良妻賢母か? そういう女は 案外もろいんだよ。」
春子「黙った…。」
ヒロシ「確かに 母の口から 不満も愚痴も聞いた事ないです。 だから てっきり 幸せなんだと思ってました。 父の介護も 進んでやってるとばかり…。 何で 気付かなかったんだ。」
大吉「そう 自分を責めんな ストーブ。 そのうち ひょっこり帰ってくるべ。」
菅原「お父さんは? 足立先生は知ってんのか?」
ヒロシ「まだです。 様子見て もうちょっと回復したら 話そうと思います。」
長内「んだな。 ショックで また倒れても困るもんな。」
春子「ユイちゃんは?」
大吉「東京行き 諦めたのか?」
ヒロシ「親父の面倒は 俺が見るから 行けって言ったんですが あいつも そこまで 子どもじゃねえから。」
足立家
(携帯の着信)
電話『ただいま 電話に出る事が できません。 ご用件のある方は メッセージを お入れ下さい』。
電話・アキ『ユイちゃん お母さんの事 聞きました。 何か… 何て言っていいか 分かりません。 でも なんくるねえぞ! あっ 今のは 沖縄の言葉で どうって事ねえって意味です。 水口さんに代わります。』
東京EDOシアター
休憩所
水口「どうも GMTのプロデューサー…。」
(携帯が切れる音)
アキ「あっ 切れた? ごめんなさい。」
水口「なんくるないさ。」
アキ「なして… なして 神様は ユイちゃんにばっかり 意地悪すんだべな。」
水口「大丈夫。 この逆境 乗り越えたら ユイちゃん強いよ。 無敵のアイドルだよ。」
アキ「んだども 不憫(ふびん)だべや。 ユイちゃんの方が おらより めんこいのに 華もあるのに…。」
水口「…。」
アキ「『そんな事ないよ』とは 言わないんですね。」
水口「ああ…。」
アキ「何ですか?」
水口「あ~ 社長が呼んでる。」
アキ「じぇ!」