連続テレビ小説「あまちゃん」8回「おら、東京さ帰りたくねぇ」

天野家

アキ「ただいま。」

夏「ああ ちょうど昼飯食うどごだ。 今日は 市場で いいカツオ分けてもらったから ヘヘッ たたきにしたど。 どうした アキ?」

風呂場

夏「アキ! アキ 開けろ 開けろ。 どうした?」

アキ「おばあちゃん アキ やっぱ… 海女やめる。」

夏「どうした 急に…。」

アキ「自身がない。」

夏「最初は みんな不安だ。 だけど慣れれば 平気だ。」

アキ「いやいやいや! なりたくない! 平気になんて なりたくない!」

夏「アキ!」

アキ「嫌だ!」

夏「アキ!」

居間

(笑い声)

アキ「何で? ねえ 何 笑ってんの?」

夏「だから アキ おめえ 組合長にだまされたんだ。」

長内「いやいや まさか 信じるとは思わねえから!」

(笑い声)

アキ「えっ どういう事?」

長内「あれはな 昔の写真だ。 今は 裸で潜る海女なんか いねえ。」

アキ「そうなの?」

夏「ああ。 まだ ばあちゃんが 結婚するめえの話さ。 それまでは 食うだめに潜ってた 海女たちに 観光協会が 目ぇつけて 観光海女として 売り出したのさ。」

アキ「…観光海女」

かつ枝「客から お金もらって 潜ってみせて ウニ食べさせる。 今のスタイルさ。 どうせ 旦那は 漁さ出たっきり 何か月も帰ってこねえから 女だちは 観光海女として稼いで 暮らしの足しにしてたんだ。」

アキ「…おっぱい放り出して?」

かつ枝「出したっていうよりは 隠さねがったって方が正解だな。」

夏「ところが 漁から帰ってきた 男連中が それ見て 頭さ血が カ~ッて上っちまった訳だ。」

アキ「じぇ。」

長内「そん時 先頭切って 漁協さ乗り込んできたのが 忠兵衛さんだ!」

かつ枝「んだ。」

アキ「忠兵衛さん?」

夏「おらの旦那さん。」

アキ「おじいちゃん!?」

夏「…んだ。」

(笑い声)

回想

忠兵衛「組合長 出てこい!」

漁師「何が悲しくて 嫁ごの乳さ 見せ物にせねばなんねえってよ。」

漁師たち「んだんだ!」

忠兵衛「おらんだ 年中 漁さ出てらんだど。 見てえったって 見れねえんだど! なして 環境客さ 見せねばなんねえのよ!」

回想終了

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