浜
弥生「ほれ 食べてみろ。」
アキ「うんめえ! ハマグリって ずっと 浜のくりだと思ってたら 貝なんだね!」
弥生「相変わらず バカだなあ アキは…。」
美寿々「ほれ 客来たど!」
弥生「ありゃ 春ちゃんでねえが?」
美寿々「んだなあ 前歩いてる男は 誰だ?」
夏「どうやら 客では ねえようだな。」
黒川「アキ!」
アキ「パパ…。」
3人「じぇじぇ…。」
黒川「何してんだ こんな所で。 何だ その恰好は!?」
アキ「あ… 海女さん。」
黒川「そんなの見れば分かる!」
春子「だから やめてって。 やめて。」
黒川「大丈夫 大丈夫 大丈夫だよ 春子さん。 大丈夫…。」
黒川「どういうつもりなんだ アキ。 終業式 勝手に休んで。 電話しても出ないし メールも返さない。」
アキ「ごめんなさい。 あの 携帯 海さ落どしで…。」
黒川「学校は どうするんだ? 補習も。 塾の夏期講習もあるだろ。 いいのか? お前 また 成績落ちるぞ。 高2の夏で 勝負が決まるんだぞ。」
アキ「ごめんなさい…。」
黒川「こんな所で 何やってんだ アキ!」
立ちはだかる夏
黒川「何ですか あなた。」
夏「海女のクラブの会長でがす。 この子は 孫でがす。」
黒川「…孫?」
春子「私のお母さん。」
黒川「あ…。 ああ… そうでしたか。 すいません。 あの… いずれ ご挨拶には 伺うつもりだったんですけど こんな形で…。 黒川正宗と申します。 春子さんの夫で アキの…。」
夏「別れるって聞いてますけど?」
春子「うん。 ねっ?」
夏「もう 離婚届出したんだべ 春子。」
春子「さっきね ポストに入れたばっかりだから まだ見てない。」
黒川「僕は 別れるつもりはありません。 絶対に別れません。 さあ 帰るぞ アキ。」
春子「あら アキは?」
美寿々「あっ アキちゃん!」
弥生「アキ また飛び込んだ。」
春子「アキ!」
黒川「アキ!」
<アキが また 海に飛び込みました>