連続テレビ小説「エール」106話「ふるさとに響く歌」ネタバレ

智彦「フフッ… 養子に迎えたからには ちゃんと教育 受けさせなきゃって 使命感に燃えてるみたいで。」

池田「はっ? ケン坊 正式に お宅んちの子になったの?」

智彦「ああ… まあ 暮らしは何も変わりませんけどね。」

鉄男「ケン うれしいだろね。」

池田「ああ。 ず~っと 独りぼっちだったもんな。」

智彦「はい。 お待たせしました。」

鉄男「どうも。 頂きます。」

ラジオ『♬~』

池田「おっ!『湯の町エレジー』。 いいよな これ。」

鉄男「ありがとうございます。」

ラジオ「♬『伊豆の山々』」

池田「村野鉄男と木枯正人のコンビは 無敵だな~。 最近どう? 仕事 順調?」

鉄男「あ~ 可もなく不可もなくですかね。」

池田「またまた 大先生が ご謙遜を。 これだって いまだに売れてるじゃない。」

鉄男「いや 先生なんかじゃないです。 まだまだ未熟者ですよ。」

池田「何だ? どうした その小さなため息。 どうした?」

鉄男「あっ いや…。」

池田「うん?」

鉄男「裕一は 何でも書くじゃないですか。 しかも 何やっても質が高い。 けど 俺は… 自分の中にないもんは 書けないっつうか…。『暁に祈る』の時も それで悩んだし。 家族の絆をテーマに書いてほしいって 言われたんですけど 絆どころか うちは まともな家族じゃなかったんで どう書けばいいんだっか。」

池田「あ~ そうか… お宅も 俺と同類か。」

鉄男「えっ?」

池田「う~ん… 古山が何でも書けんのは どんな題材にも 自然と 感情を 寄せていけるからだと思うんだよ。 何でも受け入れて愛せる素直さは… まあ もちろん もともとの性格もあるだろうけども 愛情に恵まれて育った人間ならでは って気もするんだよな。 逆に言うと そこが欠けてる人間は 自分の愛し方すら よく分かんないっつうかさ まあ… あ~ 難儀なもんだ。 ここ 置いとくよ。」

智彦「はい。」

池田「でもさ… 我々には 想像力ってもんがあんだろ? 膨らませるのも しぼませるのも てめえ次第だ。」

コロンブスレコード

裕一「えっ!? 例の映画の主題歌ですよね? 鉄男 断ったんですか?」

杉山「大丈夫でしょうか?」

裕一「うん?」

杉山「村野さん 最近 少し 行き詰ってるようなので。」

裕一「…」

杉山「何ですか?」

裕一「いや… め… 珍しいなと思って。」

杉山「はあ?」

裕一「いや 杉山さんが作家の心配するって あ… あんまり見たことなかったんで。」

杉山「(せきばらい)所属作家の管理も 業務の一環ですから。」

裕一「はい…。 でも 何で断ったんだろう? すごくいい話ですよね。」

杉山「もっと この題材にふさわしい作詞家に 頼んでほしいと言われました。」

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