古山家
ラジオ「『その日の神田は 江戸一帯の名だたる大祭りの一つ 日本三大祭り 神田祭の日であった』。」
音「ああ…。」
華「また擦れ違うの?」
音「ちょっと待って 今いいところなんだから。」
NHK
当初 一年の予定だった『君の名は』は 更に もう一年続くことが決定しました。
池田「何か いいのかな? しかたなく やったことが ここまでウケちまって。」
裕一「ご苦労さまです。」
池田「おっ ご苦労さん。」
裕一「楽しくないですか?」
池田「まあ ここまでの人気だ…。 つまらないっつったら 罰が当たる。」
裕一「池田さん 僕 昔は 自分の理想の音楽 目指してました。 でも 今は 音楽に身を委ねてます。」
池田「ほえ~ ハハッ。 あ~ 結局 人に新鮮な喜びを与えんのは 神様の仕業ってわけか。 じゃあ 一体 俺たちは何なんだ?」
裕一「フフフフ…。」
池田「何なんだってんだ! ハハハハ。 あっ ちょっと これ 読んでみて。」
裕一「『忘却とは忘れ去ることなり。 忘れ得ずして忘却を誓う心の哀しさよ』。」
池田「次から 毎回 冒頭に入れようと思ってな。 どう思う?」
裕一「いや… グッと来ます!」
池田「よっしゃ~。 ただの擦れ違いのメロドラマだって 言うやつがいてさ 癪だからよ… それで ちょっと格調高くなるだろう。」
裕一「そんなこと気にしないで下さい。 池田さんは ちゃんと すばらしい作品を作ってます。」
池田「俺の作品じゃないよ。 俺たちの作品だろ。 えっ?」
裕一「…はい!」
池田「おう。 あっ そうだ… ちょっと いいもんがあんだよ。」
裕一「えっ?」
古山家
音「万鶴屋(ばんかくや)の特選かすてら」
裕一「池田さんから 番組延長のご褒美だって。」
音「あと一年も聞けるなんて うれしい。」
裕一「えっ そんなに?」
音「だって 面白いですも~ん! 頂きます。」
真知子と春樹の切ない恋の物語は 昭和29年4月 全98回まで続きました。
この間 裕一が『君の名は』のために 作った曲は 500曲にも及びました。
病院
華「今日は寒くなりそうなので 毛布を持ってきました。」
チエ「あら 華さんは気配りが利いて優しいね~。 うちにも こんな孫が欲しかった。」
そうこうしている間に 華は無事に看護婦になりました。