裕一「あの時の僕は 何にも持ってなかったもん。 よ~く許してくれた…。」
音「そうね。 今でも…『汽車は走りだしました。 もう止まれません』って あの言葉 時々 思い出す。」
裕一「あれね…。 あれで 父さんも 急に『任せとけ!』って乗せられちゃってさ。 音は? 賛成なの?」
音「裕一さんは仕事 私は女性関係。 引っ掛かるところはあるけど…。 さっきの歌を聴くと… 頭は 駄目って言っとるけど 心が 行けって叫ぶんです。」
裕一「(ため息)いつの間にか 親になって いつの間にか 昔の自分 棚に上げて 安心とか幸せって 言葉を隠れみのに 大切な何かを 見落としてたのかもしれない。」
音「何かって?」
裕一「自分の子どもを信じる気持ち。 父さんも 光子さんも… あの時は 僕たちを信じる気持ちだけで 許してくれたのかもしれない。」
回想
裕一「父さん…。」
裕一「2人 遅いな。」
音「まさか… あ あ あの時 私たちは…。」
回想
裕一「華! あっ!」
音「お お お… 遅かったわね!」
華「鼻血がなかなか止まらなくて。」
裕一「(せきばらい)2人とも ほら 座りなさい。」
裕一「ふう…。 んっ! アキラ君。」
アキラ「はい。」
裕一「どうして 華なんだ?」