華「初めて聞いた。」
音「君は特別だっていう言葉を信じちゃ駄目! モテる人は みんな言ってるから。」
アキラ「言ってません。 華さんだけです。」
裕一「アハハハハハ…! もう いつの間にか 3体1だな アキラ君。 ねえ? もう諦めなさい。」
アキラ「僕の歌を聴いて下さい。 華さんのために作りました。」
裕一「君も しつこいな!」
アキラ「過去に弁解はしません。 お願いします。 歌を歌わせて下さい。」
裕一「諦めなさい!」
アキラ「嫌です! 頼みます! 今日のために作ってきたんです。 お願いします。」
裕一「どうぞ。」
アキラ「ありがとうございます!」
裕一「華…。 音楽業界はな 厳しい世界なんだよ。 音には たくさん苦労かけてきたんだ。 同じ苦労をしてほしくないんだ 華に。 反対してるのは 華を思ってだからだ。 そこだけは分かってくれ。」
華「お母さん…。」
音「そうね…。 その分 楽しいことも多かったけど。」
アキラ「華さんを思って 作りました。 聴いて下さい。 ムーン・ライト・セレナーデ」
アキラ「♬『うつむいて歩いた あの日の僕はきっと 知らないままで 恋や夢を 探していたようさ 見上げればきれいな 夜空に輝いてる 月のようだね 迷い はぐれ やっと見つけた 愛をもう離さない 離さないよ こんな気持ち 初めてなのさ 欲しいものは たったひとつ 君の笑顔 見せておくれ I IOVE you』」
(笑い声)
アキラ「えっ 何?」
華「気合入り過ぎ!」
アキラ「あっ!」
裕一「華 手当してきなさい。」
華「はい。 来て。 上向いて 上向いて。」
音「かっこいいところだったのに フフッ。」
裕一「どう感じた?」
音「本気 感じましたよ。」
裕一「だよね…。」
音「ねえ 裕一さん…。」
裕一「うん?」
音「アキラさんが普通の仕事をしていたら おつきあい 許しましたか? 何日間か病室を共にして 彼のこと どう思いましたか? 私たちも反対されました。」
回想
音「裕一さん…。」
三郎「おいおいおい!」
光子「駄目駄目 駄目駄目…。」