ミャンマー
「お連れしました!」
裕一「ありがとうございます。」
裕一「先生…。」
藤堂「古山…。」
裕一「藤堂先生!」
藤堂「よく来てくれた。」
裕一「コンサートにしたくて 手当たりしだいに 楽器を集めてきました。 あの… え… 演奏できる人は?」
藤堂「そんなことだろうと思って もう集めてある。」
裕一「先生…。」
藤堂「よく来たな。」
神田「陸軍上等兵 神田憲明。 得意な楽器は打楽器全般であります。 召集前は ダンスホールで演奏しておりました。」
東「一等兵 東 次郎! 宮大工で トランペットが趣味でありました!」
岸本「同じく一等兵 岸本和俊! 自分は 民謡歌手の父を持ち 召集前は 楽団でギターを弾いておりました。」
裕一「ドラム トランペット ギター いい編成です。 えっと 歌…。 先生 歌 いかがでしょう?」
藤堂「お… 俺?」
裕一「はい。」
藤堂「歌?」
裕一「はい!」
藤堂「ああ… まあ みんなの元気のためだ。 やるよ。 慰問会は明日だ。 俺は用事があるから内容は任せる。」
裕一「早速 練習してもいいですか? あの… しっかりしたものを 皆さんにお届けしたくて。」
藤堂「後で合流する。」
裕一「はい。」
裕一「よし…。」
神田「さて…。」
裕一「はい。」
神田「どうしましょう? 1曲目は やはり『露営の歌』から始めますか?」
裕一「『露営』…。」
東「『暁に祈る』も捨て難い。」
岸本「自分は『決戦の大空へ』を推します。」
2人「おお…。」
神田「先生 どうしましょう?」
裕一「あっ… あの これ あの1曲目にいかがでしょうか? あの… ラングーン滞在中に 書いてみたんですけど。」
神田「『ビルマ派遣軍の歌』。お~ 我々のために!? 士気が上がります!」
裕一「本当ですか?」
一同「はい!」
裕一「じゃあ 1曲目 これで大丈夫ですか?」
一同「もちろんです!」
神田「ありがとうございます!」
裕一「よろしくお願いします!」
一同「よろしくお願いします!」