喜多一
居間
浩二「音さん 華ちゃん 出来たよ。」
華「うわ~ きれい!」
音「すごい 浩二さん!」
浩二「独りが長えからね。」
浩二「何 何… 気にしてねえがら。 手 洗ってき。」
華「う~ん おいしい…!」
音「う~ん 甘い物は偉大だわ!」
浩二「うん… いい出来。」
寝室 夜
まさ「ねえ 華 もう寝た?」
浩二「うん… ぐっすりだ。 子どもって かわいいな。」
まさ「孫は もっとかわいい。」
浩二「えっ? 俺と兄さんより?」
まさ「フフッ… かわいい。」
浩二「フフフ…。 俺 早く結婚して 子ども つくるべきだった。」
まさ「んだね。 見たかったかな 浩二の子ども。 2人には 跡継ぎのことで つらい思いさせたわね。 私 あん時… 何 守ろうとしてたんだろう。」
浩二「家族じゃねえの?」
まさ「そう… そうだけど…。 もっと大事なものがあるんじゃないかって 今は思うの。 だから 浩二…。」
浩二「うん?」
まさ「これからは… 自分が生ぎだいように生ぎなさい。」
浩二「フフッ…。 俺が一番大事なのは家族だ。 父さんから託された この家 守る。 それが俺の生ぎだい道だ。」
まさ「じゃあ… 早く結婚しないと。 お父さん きっと あの世で…。」
あの世?
三郎「おめえは 固えとこがあっから 女にモテねえんだ。 女を立てろ! 頼むぞ! よし!』
安隆「王手!」
三郎「あっ! ちっと待ってくれ これ… ちっと待った! か~っ!」
まさ「フフッ…。」
浩二「何?」
まさ「私は あなたたちの母親で幸せ。 ありがとう。」
浩二「僕こそ… 僕らこそ ありがとう。