喫茶 バンブー
恵「『栄冠は君に輝く』。 へえ~!」
音「私も これ すごくいい歌詞だと思うんです。」
恵「野球を楽しめる時代が やっと帰ってきたんだね。」
保「この詞に裕一君のメロディーがついて 甲子園で流れるのか。 楽しみだな。」
甲子園
「どうぞ ごゆっくり。」
裕一「ありがとうございます。」
曲を書く裕一
古山家
縁側
音「♬『いさぎよし ほほえむ希望 あゝ 栄冠は君に輝く』。 すごくいい。」
裕一「あ~ よかった~。」
音「早く聴きたい…。 これ どなたが歌うの?」
裕一「う~ん… 久志は どうかな? もう一回 前向くためにはさ 何か きっかけが必要だと思う。 やっぱ あいつは… 音楽なんじゃないかなって。」
久志の住む長屋
(戸をたたく音)
裕一「久志 いるかな? 久志!」
(足音)
久志「安眠の邪魔。」
裕一「久志 君に歌ってほしい曲がある。 高等学校野球大会の歌。 君の声に ぴったりだと思うんだ。 一度でいいからさ この譜面 見てもらえないかな?」
久志「(ため息)本当 分かんない人だね 君は。 もうさ 関わってこないでくんねえかな。 君の顔見ると 気分が沈むんだよ。(ため息)もう 昔とは違うんだよ。」
裕一「久志…。」