連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第108話「悪魔くん復活」

客間

いずみ「あ… そうだ。 プレゼント。 やっぱり 渡してない。 藍子ちゃん!」

藍子「うん?」

いずみ「はい プレゼント!」

藍子「うわ~!」

いずみ「お菓子が いっぱい入っとるね!」

藍子「うん!」

いずみ「よし! クリスマスツリー飾ろうか。」

藍子「うん。 お母ちゃん お腹痛いの 治った?」

いずみ「藍子…。」

藍子「今日 帰ってくるかなあ?」

いずみ「今日は まだ無理だよ。 一緒に お留守番してようね。」

藍子「うん。」

倉田「藍子ちゃん! 先生 描いてくれはったで。 ほら!」

藍子「うわ~! 『悪魔くん』だ!」

倉田「ええもん 描いてもろて よかったな!」

藍子「♬『エロイムエッサイム エロイムエッサイム』」

(いずみと倉田の笑い声)

いずみ「茂兄さんは?」

倉田「ああ 寝に行かはったですよ。 仕事 片づいたんで 僕らも帰らしてもらいます。 奥さん 無事に産まれて よかったですね。 ほな! よいしょ。 ん?」

台所

倉田「何です?」

いずみ「意外に冷たいんですね。 茂兄さん。」

倉田「え?」

いずみ「様子見に 病院に行っても よさそうなもんなのに…。」

倉田「2日 徹夜やさかい。」

いずみ「藍子だって かわいそうだわ。 お誕生日のお祝い 楽しみにしとったんですよ。 それなのに プレゼントの事も すっかり忘れて…。」

いずみ「仕事が大事なのは 分かりますけど 妻のお産にも 子供のお祝いにも ほんの少しの時間も 割けんもんでしょうか?」

倉田「分かってへんなあ。」

いずみ「え?」

倉田「集中して 描いてはるんや。 ちょっと時間 割いてやなんて そんな簡単なもんとちゃう。」

いずみ「ほんなら 子供を産むのが 簡単だ 言うんですか?!」

倉田「原稿が遅れたら 大勢の人に 迷惑がかかるんが分からんのかなあ。」

いずみ「分かっとります!」

倉田「せやったら 余計な事 言わんといてくれ。 命懸けで打ち込まへんかったら 漫画の世界では 生き残っていかれへんのやで。」

藍子「痛いよ~!」

(藍子の泣き声)

いずみ「どげしたの?!」

藍子「痛い…。」

いずみ「あっ!」

倉田「ストーブ 触ったんやな。」

藍子「痛いよ~。」

いずみ「冷やさんと!」

(藍子の泣き声)

藍子「痛い。」

いずみ「ごめんね。 痛かったね。 藍子 ごめんね!」

藍子「痛いよ~。」

茂「どげした?」

倉田「先生…。」

いずみ「藍子が やけどをしてしまって…。」

茂「見せてみろ。 赤くなっとるな。」

倉田「病院へ連れて行きまひょ。」

茂「ああ。」

いずみ「今 タクシー呼びます!」

茂「待っとる間に 抱いていった方が早い!」

倉田「自分が!」

藍子「痛い! 痛い…。」

茂「心配せんでええ。 あんたは 留守番しとりなさい。」

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