仕事部屋
布美枝「お父ちゃん お茶 はいったよ。 あら ご不浄かいな?」
茂「おう。 これな…。 そろそろ また 改築せんといけん。 アシスタントの泊まる部屋もいるし。」
布美枝「そげですね。」
茂「ついでに 台所も もう一つ作って。」
布美枝「え?」
茂「イトツとイカル うちに呼ぶぞ。 当分は 冬の間だけだ。 まあ なんとか やってくれ。」
布美枝「はい。」
茂「俺は 仕事があるけん 相手は お前が する事になるが 知ってのとおり なかなか手ごわい2人だぞ。」
布美枝「はい。」
茂「『冬の間だけ』と言っとるが… ひょっとしたら そのまま 住み着いてしますかもしれんなあ。」
布美枝「そげですねえ。」
茂「お前 それでも ええか?」
布美枝「はい。」
茂「やっていけそうか?」
布美枝「なんとか なりますよ。 どげな事があっても 私は お父ちゃんと一緒に やっていくだけですけん。」
茂「うん。 よし! 早速 棟りょうに連絡するかなあ。」
布美枝「はい。」
茂「おい。 頼んだぞ。」
布美枝「はい。」
昭和四十三年 秋
<そして その年の秋…>
玄関前
布美枝「さあ~ どうぞ。」
絹代「やれやれ 着いた。 布美枝さんが 車で迎えに 来てくれて 助かったわ。」
修平「ここが 我々の冬の別荘か。」
布美枝「さあ 上がって下さい。」
玄関
布美枝「お父さん達 着かれましたよ!」
茂「おう。」
(修平と絹代の歓声)
茂「よう来たな!」
修平「しばらく やっかいになる。」
絹代「よろしく頼むね。」
茂「おじいちゃん おばあちゃんだよ。」
絹代「喜子! アハハハ。」
修平「こら!」
布美枝「さあさあ 上がって下さい。」
<こうして 調布の家に 村井一族が終結したのです>