布美枝「毎日 うなぎばっかり食べとったら お父ちゃん 太ってしまうわね。」
藍子「うん…。」
布美枝「700円の出費も こう続くと 厳しいなあ…。」
藍子「うち お金ないの?」
布美枝「出ていくお金が多いけんね。 アシスタントさんは増えるし 増築は するし…。」
藍子「うん。 ふ~ん…。」
布美枝「けど 一生懸命 お仕事しとるんだから 栄養つけてもらわんとね。」
藍子「うん…。」
布美枝「あんた さっき 何か 言いかけなかった?」
藍子「ううん もういい。」
夜
(犬のほえる声)
喜子「お父ちゃん。」
茂「ん…。」
喜子「鬼太郎の新しいチャンチャンコ 見る?」
茂「ああ…。」
藍子「よっちゃん 新聞読んでる時 お父ちゃん お仕事中だよ。」
喜子「は~い。」
茂「うなぎも 毎日だと飽きるなあ。 おい お前 イカルに 『もう買うな』と 言っといてくれ。」
布美枝「私が言っても聞いて もらえませんよ。」
茂「そげか…。」
布美枝「今日 電話があったんですけど 連休明けに 弟の貴司が 出てくるんです。 2晩ほど うちに 泊めても ええですか?」
(テーブルを叩く音)
茂「うん 最後のシーンは こうしよう。」
布美枝「まだ お仕事ですか?」
茂「ああ。」
喜子「バイバーイ!」
藍子「お父ちゃん 話 全然聞いてなかったね。」
布美枝「うん…。」
小学校
校門
先生「おはようございます。」
藍子「おはようございます。」
教室
子供達「え~ 村井さんが?!」
「そう すごいよね!」
「全然知らなかった。 何で 隠してたんだろうね?」
「え!」
男子1「あっ 来たぞ。 村井 お前の父ちゃん 水木しげるなんだな。」
藍子「えっ…。」
女子1「有名人の娘だったんだね。」
<クラスメート達の好奇心いっぱいの 視線を浴びて 藍子は 足がすくんでしまいました>