厠
茂「(あくび) ああ もう2日も ろくに寝とらんなあ…。」
(猫の鳴き声)
茂「はあ…。 あ… 猫は のんきで ええなあ。 お~い 猫。 お前 働かんで ええのか? アハハハハハ! いいご身分だねえ。」
猫「のんびりやりゃ いいのさ。」
茂「ん?」
猫「毎日 締め切りに追われて ご苦労さんだねえ!」
茂「毎日どころか 今日は 朝昼晩と 締め切りが3回もある。」
猫「『無為に過ごす』って 壁に貼ってあるじゃないか。」
茂「だら。 ほんとに ダラダラしとったら 飯が食えんわ。 家族に アシスタント 1個分隊を養わねばならんのだ。」
猫「はは~ん。」
茂「何だ?」
猫「先生 『妖怪いそがし』に 取りつかれたね。」
茂「妖怪 いそがし?」
(戸を叩く音)
編集者2「先生 そろそろ お願いします。」
茂「ああ。」
(猫の鳴き声)
茂「はあ 猫なんぞの相手を しとる場合じゃなかった。 よっし!」
(ペンを走らせる音)
仕事部屋
喜子「スガちゃん 遊ぼう。」
菅井「わっ びっくりした…。 今 仕事中!」
喜子「ねえねえ 漫画 見せてよ。」
菅井「後でね。」
中野「相沢さん。」
相沢「はい。」
中野「ここの指定は…。」
相沢「ここは ナワカケって事ですね。 お願いします。」
菅井「何で 相沢君に聞くのかな。 一番の古株 僕なのに。」
編集者2「あ 相沢さん ちょっと いいですか?」
相沢「はい。」
編集者2「このネームなんですが これですね。」
菅井「それ 僕 見ますよ! お~っ!」
一同「あ~!」
茂「何しとるんだ この忙しい時に…。」
夫婦の寝室
布美枝「出来た! 上出来 上出来。」
(喜子の泣き声)
布美枝「あら?」
喜子「お父ちゃんに どなられたあ…!」
布美枝「『今日は 仕事部屋に行ったら いけん』って 言ったでしょう。」
喜子「だって…。」
布美枝「ほら。」
喜子「わあ…!」
布美枝「ほら 新しいチャンチャンコ!」
喜子「鬼太郎 かっこいいね。
布美枝「うん はい。」
<次女の喜子は5歳 幼稚園の年長さんになりました>