連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第148話「独立宣言」

<そして 半年後の4月>

昭和六十年四月

水木家

台所

藍子「え~と 今日は まず 算数からだから…。 朝の会で歌う歌 どうしようかな?」

布美枝「ご飯くらい 落ち着いて食べたら?」

藍子「そうもいかないよ。 授業の準備はあるし 毎日 やる事がいっぱい。 あ こうしてられない。 早く行って 授業のプリント作らなきゃ。」

布美枝「学校の仕事 楽しい?」

藍子「楽しい。 子供達も懐いてくれて みんな かわいいよ! ごちそうさま!」

布美枝「行ってらっしゃい!」

<藍子は 都内の小学校で 3年生のクラス担任になりました。 赴任先は 家から通える学校でした>

小学校

藍子「よし! 今日も1日 頑張ろう。」

水木家

<喜子は 短大の1年生です>

子供部屋

布美枝「喜子 ほら 起きなさい!」

喜子「う~ん カステラ食べたらね。」

布美枝「何 寝言 言っとるの!」

喜子「うん 何だ 夢か…。」

布美枝「ほら 起きる! はい!」

台所

布美枝「あら… まだ食べとる。」

藍子「う~ん 2限目 休もうかな。 経済学とか 何で やんなきゃいけないんだろ?」

布美枝「また そんな事 言って~!」

喜子「お姉ちゃん 朝から ガサゴソうるさいから 一遍 目が覚めて 二度寝しちゃったよ。」

布美枝「早めに学校へ行って 授業の準備するんだって。」

喜子「よくやるなあ。 毎日 残業して 遅く帰ってきて 夜中まで仕事してるのに。」

布美枝「学校楽しいし 子供かわいいし そげな時は 少しくらい大変でも 頑張れるんだわ。」

喜子「う~ん でも… 張り切りすぎると 伸びきったゴムみたいに なっちゃうよ。」

布美枝「喜子 あんたは もうちょっこし 頑張らんといけんのじゃないの?」

喜子「う~ん 何に向けて頑張るか。 それが問題だ。」

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