連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第26話「花と自転車」

暁子「あんまり バタバタと話が進むけん 私 心配しとったのよ。 茂さんも変わった人だし お兄さんも 何だかズレとる。」

布美枝「会ったばっかりで よう分からんでしょ?」

暁子「フミちゃん 暮らしの方 ほんとに 大丈夫なの?」

布美枝「え?」

暁子「この家も 持ち家だっていうけど 何か ぼろぼろだし ぞれに 月賦なんでしょう? 毎月 出ていくお金 家賃払うのと変わらんよ。 貸本漫画って 言っとったわね。 それ 貸本屋さんに置いてある 漫画の事だわ。」

布美枝「貸本屋さんって?」

暁子「大塚には なかった?」

布美枝「うん 行った事ない。」

暁子「お金の事 ちゃんと 茂さんに聞いたの? 毎月 幾らでやりくりしていくのか 貯金は 幾らあるのか。」

布美枝「それは まだ。 話をしようにも ずっと お仕事で。」

暁子「何を言っとるの! 所帯 持ったんだから そういう事は はっきりさせんと。」

布美枝「分かっとる。」

暁子「大塚の家にも電話で知らせんとね。 お父さんが どげん思っとるのか 一遍 聞いてみるわ。」

布美枝「アキ姉ちゃんは 心配性だな。」

暁子「え?」

布美枝「漫画を描いて届けたら すぐ お金は入るって 言っておられたよ。 この家だって 最初は びっくりしたけど 姉ちゃんが思っとるほど 不便じゃない。 近くに ええ商店街もあるけん 結構 暮らしやすいわ。」

暁子「けど…。」

布美枝「だけん うちには言わんでね。 姉ちゃんが大げさな事 言ったら お父さん達 みんな びっくりしてしまうわ。」

暁子「でも ほんとの事 知らせておかんと。」

布美枝「やめてごしない。」

暁子「フミちゃん。」

布美枝「余計な心配 かけたくないけん。 私 長い事 うちにおって ず~っと みんなに 心配かけとったんだけん。 これからは 自分で なんとか やってみる。 もう 引き返す事は できんのだけん。」

玄関前

暁子「落ち着いたら 赤羽に遊びに来て。」

布美枝「うん。」

暁子「何かあったら いつでも 電話してきなさいね。」

布美枝「うん。」

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