連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第32話「アシスタント一年生」

富田「ほんとはさ 今日 相談したい事があってさ。」

布美枝「はい。」

富田「実はね ご主人の本 ここんとこ 売り上げが 下降線でね。」

布美枝「下降線…。」

富田「ああ このままだと お互いに この先がないよね。 出版社と漫画家は 共存共栄。 分かる。 共に生き 共に栄える。 そこで ある方に お知恵を ちょうだいして 作戦を考えたのよ。 だから 今日は それを 相談しようと思ってたんだけど。 明日当たり ご主人 来られない?」

布美枝「どうでしょうか? 足首が腫れてましたけん 歩けるかどうか?」

富田「そんな事 言ってると どんどん 売れなくなるよ 行き詰まりだよ。」

布美枝「そんな…。」

浦木「いいですよ 私が 調布の家まで伺いますから。」

布美枝「あ あなた?」

浦木「どうも 奥さん お久しぶりです。」

布美枝「なして ここに?」

浦木「漫画出版プロデューサーの浦木です。」

布美枝「漫画出版プロデューサー?」

富田「ああ この方が 売り上げ倍増の アイデアを 提案して下さった訳よ。 何だか 水木さんとは 古いお友達だっていうじゃない?」

布美枝「はあ。」

富田「こういう方が いるならいるで どうして もっと早く 教えてくれなかったのかな? ね 先生!」

浦木「はい。 明日 すばらしいアイデアを持って お宅へ伺いますよ。 村井君には 福の神が来ると伝えて下さい。」

<茂の旧友の浦木が どうして こんな所に 現れたのでしょう?>

回想

茂「奴にかかわると ろくな事がない。」

回想終了

<何だか よくない予感がします>

すずらん商店街

(商店街のにぎわい)

和枝「今から 夕飯のお買い物?」

布美枝「そうなんです。」

和枝「今日は 遅いじゃない?」

布美枝「ちょっこし お使いに出てて。」

和枝「煮干しの 安くていいの 入ったんだけど どう?」

<調布に来て 2か月近くが過ぎ 日々 買い物をする すずらん商店街にも かなり なじんできた布美枝でした>

和枝「そういえば 貸本屋のおばあちゃん また リューマチ痛むって 言ってたよ。」

布美枝「あら…。」

田中家

キヨ「あ~! 来た 来た! 来た!」

布美枝「もうちっと このままで。」

美智子「悪いわね わざわざ 寄ってもらって。」

布美枝「いいえ。」

美智子「おばあちゃん コロッケ 買ってあるから 晩ご飯 先に食べてて。」

キヨ「はいよ。」

美智子「ごめんね バタバタしてて。」

布美枝「今日は 込んどるんですね。」

美智子「うん。 いつもね 夕方からが込むのよ。 仕事帰りの人達が 借りに来るからね。」

客「おばさん お願いしま~す!」

美智子「は~い ちょっと 待ってて!」

布美枝「キャベツ 切りましょうか?」

美智子「あら じゃあ お願い!」

キヨ「銭湯帰りの客が また 多いんだ。 風呂屋が閉まるまでが 貸本屋の 書き入れ時さ。 お陰で こっちは 晩ご飯を ゆっくり 食べる暇もありゃしない。」

布美枝「大変なんですね。」

キヨ「朝10時から 夜10時まで 正月以外は 年中無休。 気軽そうに見えて 結構きつい商売なんだよ。」

女客1「新しい本 入ってる?」

女客2「『主婦の手帖』 戻ってきてるかしら?」

キヨ「あ~ ほら また どっと来た。 私も こうしちゃいられない。 よっこいしょ!」

布美枝「あ~… もう 無理したらいけんですよ。」

キヨ「あ~… 痛いよ。」

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