連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第36話「アシスタント一年生」

仕事部屋

茂「おほ~っ。」

布美枝「ちょっこし 熱いかもしれんけど。 どげな具合ですか?」

茂「う~ん。 ホカホカして なかなか ええ。」

布美枝「しばらく そのまんまに しちょって下さい。」

茂「そこ 座ってくれんか?」

布美枝「え?」

茂「その 『スミ』と書いてあるとこ …そこに これ 塗ってくれ。」

布美枝「え?」

茂「ぼさっと しとらんで! 朝まで 仕上げんとならんけん。 ほれっ… 早く!」

布美枝「はい。」

茂「これで ムラがないように塗れよ。」

布美枝「はい。」

茂「そげに 力まんと!」

布美枝「私… こげな事するの 初めてで …私で ええんでしょうか?」

茂「あんたなら できる! 手伝ってくれ。 時間ないぞ! ほれ さっさと!」

布美枝「はい!」

茂「なかなか ええじゃないか。」

茂「ここに 点々を打ってくれ。 こんなふうに。 できるな?」

布美枝「はい。」

布美枝「これで どげでしょう?」

茂「この 丸の囲った部分の 真ん中から右側を もっと点々…。」

布美枝「はい。」

<布美枝が 初めて 茂のアシスタントを 務めた夜。 仕事は 夜更けを過ぎても続き …いつしか 夜が明けていました>

(小鳥の鳴き声)

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