こみち書房
真弓「おばさんに 相談したい事があって…。 私… 手紙 もらったんです。」
美智子「手紙? ああ ラブレター?」
真弓「多分…。 何か 詩みたいのが 書いてあるんですけど 私 そういうの よく分からないから…。 でも 困ってるんです! どう言って 断ったらいいか 分からなくて…。 これ… おばさんから やんわり 伝えてもらえないでしょうか? よく店に来ますよね。 …小林太一さん。」
美智子「え?! ちょっと 真弓ちゃん ちょ ちょっと。」
真弓「おばさん?」
美智子「うんうん。」
田中家
<布美枝は とんでもないところに 居合わせてしまったようです>
<その頃 売り込みに回っていた茂は…>
三海社
茂「『三海社』か… よし!」
(ノック)
茂「こんにちは! あれ… 留守かな? 誰も おらんのですか?」
深沢洋一「はい… 何か用?」
茂「原稿 見てもらいに 来たんですが。」
深沢「持ち込み? 誰? 何 描いてる人?」
茂「水木といいます。 『墓場鬼太郎』という漫画を 描いちょって…。」
深沢「水木さん?!」
茂「はい。」
深沢「いや~ よく来てくれたね! いや~ あんたが来ないかと 待ってたんですよ!」
<茂は 布美枝の人生にも 大きく かかわる 運命の出会いを 果たしていたのです>