純喫茶・再会
亀田「最近 店が暇でさ 景気がよくなるほど 質屋は暇になるってんだから 因果な商売だよね。 ハハハ。 あらららら… 知り合い。 よう! 村井さん。 あんたが 喫茶店なんて すごく珍しいんじゃないの? 最近 来ないけど まだ出してない品物 結構あるよ。 もう流れちゃうよ。」
茂「どちらさん?」
亀田「え? 亀田だよ。 質屋の亀田。」
茂「ああ 質屋のおやじさんか。 外で会うと 分からんもんですな。」
亀田「はあ! おかしな人だね。」
マスター「コーヒー1杯で もう5時間も粘られてんです。」
亀田「5時間?!」
マスター「ええ。 お客さん用に置いてる雑誌 片っ端から見てんですよ。 それも ほら ご婦人向けのやつ。」
亀田「え~っ? 似合わないねぇ。」
マスター「でしょう。 古いのも 見せてくれって頼まれたんで 奥から 引っ張り出してきたんですけどね。」
亀田「それにしても 何 見てんのかね。」
マスター「さあ…。」
茂「この写真は 絵に使えるなあ…。」
亀田 マスター「あっ!」
亀田「あんな人じゃないんだけどね。」
水木家
玄関
はるこ「ごめんください。」
布美枝「は~い。」
はるこ「水木先生 いらっしゃいますか?」
布美枝「今 出かけてますけど。」
はるこ「お留守ですか?! あ~ どうしよう。」
布美枝「あの… どちらさま…。」
はるこ「いつ お戻りでしょうか? 私 家を出てきました。」
布美枝「えっ!」
玄関前
茂「早ことせんと 締め切りは もう過ぎとるんだ。」