布美枝「(ため息)」
茂「原稿料の先払い 頼んでみるか?」
布美枝「けど その お金で 家の月賦 払わんと 不動産屋さんへの払い また 遅れますよ。」
茂「はあ そっちからも 督促状が来るのかあ! あ 痛え!」
布美枝「藍子…。」
<それから数日経って…>
玄関前
布美枝「往復の汽車賃と お土産代と あ 藍子にも ちょっとは 見栄えのする服 着せんといけんし…。 はあ やっぱり 里帰りは無理かなあ。 う~ん…。」
郁子「こちら 水木しげる先生の お宅でしょうか?」
布美枝「はい そうですけど…。」
郁子「ああ よかった。 社長 やっぱり こちらの お宅ですって!」
深沢「おお そうか。」
布美枝「深沢さん!」
深沢「やあ 奥さん ごぶさたしました。」
<結核で 長い事 療養所にいた深沢が この日 久々に姿を見せたのです>