布美枝「はい お待たせしました!」
知人1「こりゃ ゆくゆくは べっぴんさんに なんぞ~!」
知人2「絹代さんに よう似ちょ~わ!」
絹代「あら そげですか?」
修平「一つも似とらん。」
知人1「半兵衛さんとこには 連れていったかね?」
絹代「まだですわ。 何せ 今日初めて 嫁が 藍子連れてきたんですけん。」
知人2「そげかね? あんた まめに 顔出いて じじ ばばを喜ばせんといけんわ。」
布美枝「すんません。」
知人1「しげさん 仕事は どうしとる? 漫画は 成功しとるかね?」
知人2「成功しと~に 決まっちょ~わ! 忙して 一緒に 来れんぐらいだけんな?」
布美枝「はい。」
知人3「絹代さ~ん お~かね!」
絹代「トミコさんだ。 は~い! 行こうか~。」
修平「よう来てくれた。 遠いとこ ご苦労さん。」
布美枝「…お父さん。」
知人1「修平さん この間 話しとった カキの養殖の話 どげなった?」
知人2「カキの棚の権利 買ったら がいに もうかると言っとったが あんたが うまくいったら わしらも乗ろうと 思っとるんだけど。」
修平「それですわ。 後は 話を詰めるだけ いうところまで 進んどったのに 絹代の奴が 猛反対するもんですけん 話は ご破算ですわ。 惜しい事をしましたわ!」
知人1「絹代さん 堅いけんなあ。」
修平「ひと山 大きく当てるという 男の夢が 分からん女ですけん。」
絹代「…何の話ですか? 私が あの時 止めんだったら わずかな老後の蓄えまで パアでしたわ! ふん! あげな話… 詐欺に決まっとります! …ちっ!」
布美枝「はい お待たせしました。」
(一同の笑い声)