書斎
<なんとか 歩との約束を果たそうと 寝る間も惜しんで翻訳をする 花子でした。>
寝室
<そして 日曜日がやって来ました。>
歩「お天気だよ!」
英治「ん…。」
歩「起きて! 早く海に行こうよ!」
英治「おお~ よかったな 歩。 やっと 海に行けるぞ。 花子さんも起きて。 あれ?」
書斎
歩「お母ちゃま! お母ちゃま 起きて! 早く海に行こうよ!」
花子「てっ…。 もう朝…。 しまった! 寝ちまった!」
歩「早く! 海 海 海!」
英治「どう? 行けそう?」
花子「まだ これだけ…。」
居間
歩「お母ちゃまの嘘つき。」
花子「ごめんね 歩ちゃん。 お母ちゃま お仕事が間に合わなくて 今日は どうしても一緒に行けないの。」
平祐「さあ 歩。 お父さんと おじいちゃんと海行こう。」
花子「すいません お義父様…。」
歩「やだ! お母ちゃまも 一緒じゃなきゃ やだ!」
英治「お仕事が終わらないと 困る人がいるんだよ。」
歩「やだ やだ やだ!」
花子「歩…。 やっぱり 私も 一緒に行った方がいいかしら…。」
英治「ゆうべ ほとんど寝てないんだろ。 無理するなよ。」
書斎
花子「歩ちゃん。 本当に海に行かないの? おじいちゃまとお父ちゃま 待ってるわよ。 本当にごめんね。 何してるの? 歩…。 やめて! やめなさい!」
英治「どうしたの?」
花子「歩が…。」
英治「ああ~… こりゃあ また豪快にやったな。」
花子「どうして こんな事するの? これは お父ちゃまから もらった 大切なご本なのよ。 歩 ごめんなさいは?」
歩「お母ちゃま お仕事しないで。 海に行くって約束したのに!」
花子「だからって や… やっていい事と 悪い事があるでしょう! こんな悪い事をする子は お尻ペンペンですよ!」
吉太郎「よっ 歩。」
歩「あっ 吉太郎だ! 吉太郎。」
花子「吉太郎伯父さんでしょう?」
吉太郎「吉太郎でいいだよ。 はな。 できん約束は 最初っからするな。 よし 歩! 今日は 俺と遊ぼうな。」
英治「歩の大好きな吉太郎さんが 来てくれて よかったじゃないか。 これで集中できるだろ 仕事に。」
花子「そうね…。」
居間
吉太郎「歩 すっげえ面白えもん 持ってきたぞ。 一緒に作らんけ?」
歩「何?」
吉太郎「ほりゃあ 出来てっからのお楽しみだ。 すっげえ びっくりするぞ。 よし ほれじゃ 歩は これを持っててくりょう。」
歩「うん!」