連続テレビ小説「花子とアン」第132回「新しい家族」【第22週】

寝室

英治「今夜は テル テルって 大はしゃぎだったから すぐ寝ちゃったよ。」

(風鈴の音)

英治「花子さん。」

花子「本当はね… 今日の放送でお話しした 軍用犬に 名前は 付いていなかったの。 私が勝手に テル号って付けてしまって…。 ラジオを聞いてくれた子どもたちに 申し訳ない事をしたわ。」

英治「確かに テル号なんて言わない方が 犬を連れていかれた ほかの家の子どもたちも みんな喜んだだろうね。 自分の犬も 戦地で活躍してるんだって。」

花子「ええ…。」

英治「でも…テルの事を 想像してる時の美里は 本当にいい笑顔をしてた。 瞳をキラキラ輝かせて。 花子さんは 今日 美里に すてきな贈り物をしたんだよ。」

花子「そうかしら…。」

英治「僕は そう思うな。」

花子「私… たとえ 世の中が どんな状況になっても この子たちの夢だけは 守りたい。」

英治「ああ。」

<子どもは いつの時代も 美しい夢を持っています。 それを奪ってはならないと 花子は 心に誓いました。>

居間

花子「はい 青凛社でございます。」

宇田川『宇田川満代です。』

花子「宇田川先生。 ごきげんよう。」

宇田川『報告したい事があるの。 3時に かよさんのお店に 来てちょうだい。』

花子「てっ… 今日の3時ですか?」

宇田川『必ず来るのよ。』

(電話の切れる音)

(戸が開く音)

醍醐「ごめんください。 ごきげんよう。」

花子「あっ 醍醐さん。」

醍醐「宇田川先生からのお招き はなさんのところにも 来たでしょう?」

花子「ええ。 たった今。」

玄関前

「あっ ラジオのおばさんだ!」

「ごきげんよう!」

子どもたち「ごきげんよう!」

花子「ごきげんよう。」

(飛行機のエンジン音)

花子「ねえ 醍醐さん。 前にも ここで 飛行機を見た事があったわね。」

醍醐「ええ。」

回想

(飛行機のエンジン音)

ブラックバーン「Hana. 『これからの飛行機の進歩は 世界を平和に導くか 戦争をもっと悲惨にするか どちらかです 我々人類は飛行機を どう使おうとしているのか 平和か 戦争か』」

回想終了

花子「最近 よく あの時の ブラックバーン校長の言葉を思い出すの。 『平和か戦争か。 それは 我々の上に懸かっている 課題である事を よく考えておきなさい』。

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