朝市「へえ~ 武に会っただけ。」
はな「小学校ん時と ちょっこも変わってなんださ。」
朝市「あいつは 隣町の商業学校に行っただ。」
はな「ああ。 朝市の方が うんと勉強好きだったのにね。」
朝市「学校行かんでも 勉強は できる。」
はな「えっ?」
朝市「はな。 おら 勉強続けるじゃん。」
はな「ふんだけんど…。」
朝市「学校行かんでも 本が思いっきし読めるとこ はなが教えてくれたじゃんけ。」
はな「てっ! あすこ?」
朝市「うん。 教会の本の部屋!」
はな「アハハハ! 夜中に忍び込んだじゃんね!」
朝市「牧師さんに見っかって 池に落っこったら! アハハハ!」
はな「ほんで 朝市だけ捕まってさ…。」
(笑い声)
はな「ここでいい。」
朝市「うん。」
はな「ふんだけんど 朝市 何で急に 勉強始めようと思ったでえ?」
朝市「ほれは…。 はなに また会えたからじゃん。 会えて よかったさ。」
はな「おらも。 みんなに会えて よかったさ。」
朝市「(小声で)『みんなに』け…。」
はな「あっ。 みんなに食べてもろうの忘れた。」
朝市「忘れもんけ?」
はな「これ お土産のクッキー。」
朝市「クッキー?」
はな「西洋のお菓子だ。 おらが焼いたの。 これ みんなに渡してくれちゃ。」
朝市「分かった。」
はな「朝市も食べていいだよ。 ふんじゃあ さいなら。」
朝市「さいなら。 さいなら!」
はな「さいなら!」
<ごきげんよう。 さようなら。>