連続テレビ小説「花子とアン」第17回「初恋パルピテーション!」【第3週】

徳丸「おまんは 確か 東京の女学校に 行ったんじゃなかっただけ。」

はな「はい。 でも 働き口があれば 女学校は いつでも やめます。」

武「てっ!」

徳丸「本気け?」

はな「よろしくお願いします!」

徳丸「こりゃあ ふじちゃんとこも 相当 困っとるだな。 ふんだけんど この不景気に そう簡単に 稼ぎ口が見つかる訳ねえずら。」

はな「そこを なんとか!」

徳丸「ねえと言ったら ねえ。 商売の邪魔だ。 帰ってくれちゃ。」

三郎「帰った 帰った!」

はな「地主様! 何でもしますから お願いします! お願いします! お願いします!」

安東家

ふじ「か…。」

かよ「何をしてるでえ?」

ふじ「かよが製糸工場行ったら 自分で 葉書ぐれえ 書けるようになりてえと思って。 ほら!」

かよ「おかあ…。」

ふじ「あっ リンさん。 明けましておめでとうごいす。」

リン「おめでとう。 はな 女学校やめて働くだと?」

ふじ「えっ? はなが?」

リン「てっ? 知らんだけ? 徳丸さんとこで 『働き口 世話してくりょう』って 頭 下げてただと。」

朝市「あ… おばさん おらのせいずら!」

ふじ「朝市。」

朝市「おらが はなに かよちゃんの話なんしたから…。」

かよ「朝市! 黙っててって言ったじゃん!」

朝市「ごめん!」

居間

はな「ただいま。」

周造「おお。」

ふじ「はな。 ちょこっと こけえ座れし。」

はな「何でえ?」

ふじ「女学校やめて働きてえって 徳丸さんに 頼みに行ったそうじゃんけ。」

周造「てっ!」

はな「はい。」

ふじ「はな。」

かよ「おら 許せねえ。 女学校やめるなんて。 お姉やんが ほんな簡単に 勉強投げ出しちもうなんて…。」

はな「かよ。」

かよ「情けなくって 悔しくって 力が抜けた。 何のために働きに出るだか おらまで分からんくなっただ。」

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