廊下
<はなは どうするつもりでしょう? 甲府に帰ったところで 仕事の当てもないのに。>
英治「安東はなさん。」
はな「あ… 村岡印刷さん。」
英治「どうしたんですか? まるで 木から落ちた ナマケモノみたいな顔してますよ。」
はな「落ちたんです。」
英治「えっ?」
はな「今日 面接をして頂いたんですけど…。」
英治「はあ… そうでしたか。 それは お気の毒でしたね。」
はな「あっ いつぞやは 英英辞典 ありがとうございました。 あの辞書を持って 甲府に帰ります。」
英治「えっ… 甲府に 帰ってしまわれるんですか?」
はな「じゃあ。」
英治「ナマケモノは… 木にぶら下がりながら 夢をみてるんだと思います。」
はな「はっ?」
英治「だから あなたも夢を忘れないで下さい。」
<つくづく とんちんかんな人だと はなは思いました。 でも どういう訳か 少しだけ はなの心は 明るくなりました。>
はな「ごきげんよう。 さようなら。」
<ごきげんよう。 さようなら。>