食堂
サト「ああ あのあかずの間ね。 確か2か月くらい 出てきてないんじゃないかな? あの人?」
蘭「2か月です。」
サト「うそ! そんな なるっけ? 一体なにやってるんだろうね 中で?」
純「ちょっと 吞気なこと 言ってないで 掃除させてもらったら どうですか? 臭くて 臭くて しょうがないんですよ あそこ。」
サト「ああ 今んとこ 苦情もないし ウチは基本的に 客の自由を尊重するからさ。」
純「女将さん。」
サト「ん?」
純「あの これ 見て下さい。」
サト「何これ?」
純「私なりに このホテルの改革案を考えてきました。」
サト「はあー 凄いねー。」
純「私 おじぃのホテルがなくなって 生きる希望を失った時に 初めてここに来て そんな時 凄く 本当に心が安らいで 生きる元気を取り戻すことが出来たんです。 だから 私みたいに ここに来たお客さんを そういう風に出来るんじゃないかな と思うんです…」
サト「いや ちょっと待って 今いいところだから。」
純「あの すみません これ 前のホテルでもらったんですけど… あの! 皆さん! これ! 歩み寄る者には 安らぎを 去り行く者に幸せをって 書いてあるんです。」
一同「…」
純「あの これ 歩み寄る者には 安らぎを 去り行く者には幸せを みんなで頑張って この言葉のような ホテルにし…」
蘭「いいかげんにしてよ!」
純「え?」
蘭「言っておくけど ここは あんたが思ってるような場所じゃないの。 毎日やることもなくカップメンばかり食べている人生を諦めてるような人間が集まってくるところなの。 あんたみたいな 暑苦しい女に みんなで頑張れば 夢が叶うみたいなこと言われるのが 1番迷惑なの。」
純「いや そうじゃなくて だから 私はおじぃの魔法の国…」
蘭「向いてないからさぁ! 辞めた方がいいんじゃないの あんた? おいで。」
純「ねえ チュルチュルちゃん これ! あの私が 作った改革案 なんだけど…。」
羽純「笑止。」
え? なんて言った? 笑止って 笑って止めるって書く あの笑止?
純「あの セニョールさん これ 読んでみてもらえませんか?」
忍「自分は 女将さんに言われたことを やるだけなんで。」
純「やっぱり 女将さんに これ見てもらわないと。」
サト「買いかぶりすぎよ そんなたいしたホテルじゃないからさ ウチ。」
純「くれるの? ありがとう。」
やっぱ 子供には好かれるんだよな
純「どれどれ?」
おじぃ ここに来て まだ2日目なのに もう1人ぼっちだよ 私は…