優子「どないしよう? うちのバッグ 送る荷物の方に 入れてしもた。」
糸子「はあ? 何でもええさかい 代わりのん 探しよ。」
優子「何か ないかな?」
松田「先生。 あの これは?」
糸子「はあ それ 直子のやけどなあ。」
松田「けど そこに ほっぽって ありましたで。」
糸子「う~ん。 まあ ええわ ほんなら。 ほっぽってる方が 悪いな。 これに 入れていき。」
優子「せやな。 これにするわ。」
玄関前
千代「体に気ぃ付けてな。 なあ 頑張りよ。 なあ。 うん?」
優子「行ってきます。」
松田 昌子「行っちょいで。」
聡子「姉ちゃん 行っちょいで! 頑張ってな!」
優子「行ってきます。」
千代「行っちょいで。」
優子「行ってきます!」
直子「うちのや!」
優子「ちょ… 何すんねん?!」
直子「このバッグは うちのや!」
優子「あんた ほったらかしにしとった…。 痛っ! 痛 痛た~!」
直子「うっさいなあ! これは うちが お母ちゃんに買うてもうたんや!」
優子「何やと?! うちの財布 入っとんじゃ!」
直子「何じゃ 何やねん! 返せ!」
糸子「やめ! やめ! やめ~! や~め~! やめ~!」
<結局 昌ちゃんが 店から 古い手提げを見つけ出してきて>
オハラ洋装店
優子「ほな… 行ってくら。」
松田「行っちょいで。」
優子「うん。」
昌子「行っちょいで。」
<優子は それを持って 旅立ちました>
2階 寝室
直子「うちが お母ちゃんに買うてもうたんや。」
<そんな直子の悔しさなんぞ 優子も うちも だ~れも 知りませんでした>