連続テレビ小説「カーネーション」第125回「悔いなき青春」【第22週】

三浦「あ~ ハハハ。 いや もう ほんの さっきの話やねんけど。 ああ あ~ あ あ あ~ うんうん… うん! いや… あいつ 長崎へ戻るんやて。」

糸子「周防さんですか?」

三浦「うん。 あいつとこもやな 子供ら みんな 独立してるし かみさん 死んで もう あいつ一人や。 そういうふうになったら『やっぱり 生まれ育った所に 帰りたい』そういうとった。 長崎の田舎に 一軒家 買うて 畑か何か やりながら こう 暮らすんやて。 ハハハ。 どないしたんや?」

糸子「いえ…。 寂しいないですやろか?」

三浦「うん?」

糸子「そんな 独りで…。 また新しいとこで…。」

三浦「さ 寂しいない… かも… しれんけどや。 も… もう 心配しちゃんな。 ほれ あいつは 自分で選んだ道や。 周防は 人間が ええさかいな どこ行っても ちゃんと やっていきよる。 第一 あんな男が 独りで暮らしててみい? ほら もう みんな 近所のおばさんらも ほれ 世話焼きに来よるぞ。 ハッハッハ! 泣いちゃる事ない。 ない!」

珈琲店・太鼓

北村「ほな ホットケーキ 3つね。」

木之元「はい。」

聡子「へ? 何で 3つも?」

北村「お前 どうせ2つ食うやんけ。」

聡子「食べへんよ!」

北村「何でよ?」

木之元「何で?」

聡子「え? いや うちも もう そない食べる年 ちゃうよ。 ウフフフ。」

木之元「何や… 寂しいのう。」

北村「のう。」

聡子「いや そんなん言われても 食べられへんし。」

北村「う~ん ほな 2つで。」

木之元「ほい…。」

北村「お前 ほんでよ ロンドン行って どこで 何すんよ?」

聡子「まずは 英語の学校 行ってな ほないしながら 働けるとこ 探す。」

北村「あて あんのけ?」

聡子「あては ないけど 洋裁の腕は あるよって。」

北村「お前 大丈夫け? ほんまに。」

聡子「ふん。 うち こんなんやけど 日本でも どないかなってるしな ロンドンでも どないかなると 思うねん。」

北村「何じゃそら?」

聡子「犬が どこでも暮らせるのと 一緒や。」

北村「う~ん… とうとう お前も どっか行ってまうんけ。」

聡子「寂しいん?」

北村「アホけ! 何で わいが 寂しいんじゃ。」

聡子「嘘や 寂しいんや~。 うちら おらんようなったら うちで 御飯 食べにくなるしな~。 いや ほんでもな おっちゃん うちらが おらんくても おばあちゃんが おったら 御飯 食べさしてくれるよって 大丈夫やで。」

北村「お前の おかんのよう。」

聡子「へ?」

北村「好きな花 何や?」

聡子「お母ちゃんの?」

北村「うん。」

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