連続テレビ小説「カーネーション」第147回「あなたの愛は生きています」【第26週】

糸子「え~ 皆さん 撫子の会へ ようこそ いらっしゃいました。 講師の小原糸子です。 どうぞよろしゅう お願いします。」

(拍手)

糸子「ある日 押し入れを ひっくり返してたら 古い着物が 山ほど出てきました。 洋服は捨てられても 何や知らん 着物ちゅうんは 捨てられへんもんです これが。 せやけど 着るかちゅうたら なかなか機会もない。 そないして たんすの 肥やしになってる着物が どこのお宅にも ようさん あるんとちゃうかと 思います。」

「そうですねえ!」

糸子「そこで あちらを見て下さい。」

(歓声)

糸子「ほんで これが…。」

(歓声)

糸子「うちの一張羅やった着物を ばらして こさえた ドレスです。 ご存じのとおり 着物の反物と 洋服の生地は 幅が違います。 しかも 模様が入ってるよって 洋服にすんのは 大変 難しい。 私も随分 頭を使て やっと 見つけた やり方があります。」

糸子「言うたら 企業秘密みたいなもんやけど ほんなセコい事 言うてたら 日本中の たんすに 肥やしが増えていくばっかしです。 1日も はよ 1枚でも多く 着物が生き返ってくれる方が ずっと うれしい。 実は うちの父親は 呉服屋やったんです。」

「あかん! やっぱり あきませんわ 先生!」

糸子「うん?」

「着物に ハサミ入れるなんて なかなか できへんもんなんですね!」

糸子「分かるけどなあ。 ハハハ!」

栄之助「そこが 気のもの不思議 いうやつですな 先生。」

糸子「ええ?」

栄之助「いや どんだけ お金持ちの お客さんでも 着物いうたら 皆さん 絶対に よう粗末にしはりませんもん。」

糸子「せやなあ!」

「分かります。 うちも お米と 着物だけは どないしても。」

糸子「ああ なるほど お米と着物なあ。 ハハハハ! ほれ 思い切って いけ! ほれ!」

「よし!」

糸子「せ~の! いくで!」

「わあ~! やった~! あんたも いけ ほら! いくで!」

「せ~の!」

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