待合所
川上「いつぞやは… 弟が 失礼しました。」
優子「こちらこそ。 母が…。 申し訳ありませんでした…。」
川上「いいえ。 人を憎むというのは… 苦しいものです。 私にとって ただ一つ 救いだったのは 父の相手が 先生だったという事でした。」
川上「憎むには あたらない方だと… いつごろからか… ある程度 年を取ってからですが 思えるようになりました。 それでも 汚い感情が 全く無かったかと言えば… 嘘になります。 でも それも… さっき 先生の目を見て 消えました。」
川上「先生も… ずっと思い続けてきて 下さったんだと… 思いました。」
<長い長い 記憶を持ってる。 それが 年寄りの醍醐味ともいえる。 守り続けて 闇のうちに 葬るはずやったもんが うっかり 開いてまう事もある。 老いぼれた体に とどろく事 打ちのめす事 容赦のうて ほんでも… これを見るために 生きてきたような気もする>