連続テレビ小説「カーネーション」第14回「熱い思い」【第3週】

居間

<みんな うすうす 気付いているようでした>

道中

ハル「ちょっと待ち!」

糸子「ん?」

ハル「これ 持っていき!」

糸子「何これ?」

ハル「お握りや。 おなかすいた時 食べ。」

糸子「うん。 おおきに。」

千代「糸子!」

糸子「何?」

千代「これ 持っていき! 金平糖。 誰かに怒られたらな 見つからんように 隅っこ行って こそっと食べ。」

糸子「おおきに。」

千代「うん。」

糸子「行ってきます。」

千代「うん。 行っちょいで!」

枡谷パッチ店

仕事場

<金平糖は すぐに無くなりました>

田中「おい 小原! まだ泣いてんか? はよ手伝わんかい!」

糸子「泣いてません すぐ行きます。」

<実際 うちは 朝から晩まで 怒られっぱなしで。 近づいたと思たミシンは どんどん 遠なっていくばっかしで うちなんか もう一生 触らへんのちゃうか ちゅう気がしました>

糸子「あっ!」

田中「小原!」

糸子「あ…。」

<磨くんが こんな 大変やっちゅうんも知らんと うちは ベッタリ 張り付いちゃったなあ 女学校のみんな 元気やろか。 ああ 奈津でええから 会いたいなあ>

玄関

糸子「奈津! あんた 何してんの?」

奈津「別に。」

糸子「学校は?」

奈津「今日は 昼までや。」

糸子「何しに来たん?」

奈津「ん? まあ 何もないけどな。」

作業場

奈津「こう? こうかな?」

田中「そうそう そそ。」

奈津「いや~!」

枡谷「なかなか筋ええがな。 最初は みんな こんな うまい事いかへんもんやで。」

奈津「すごいなあ ミシンて。 こんな はよ縫えんやな。」

田中「おい 小原 茶 まだか?」

糸子「へえ ただいま。」

岡村「名前 何ちゅうん?」

奈津「吉田奈津 いいます。」

田中「奈津 ええ名前やなあ。 この辺に住んでんけ?」

奈津「吉田屋ちゅう料亭です。」

岡村「おう ええとこやんか!」

田中「ちゅう事は 将来の女将さんけ?」

奈津「そないなります。」

田中「へえ~!」

山口「おい もう帰ってええで。」

糸子「は?」

山口「あとは わしがやっとくさかい。」

糸子「へえ。 あ お湯のみ 洗うてへんな。」

山口「ええて!」

糸子「え?」

山口「あとは わしが洗うとくさかい。 はよ帰れ もう。」

糸子「へえ ほな。」

山口「はい。」

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