勘助「なあ これ ええんちゃう? これ ええんちゃう?! なあ…。」
玉枝「ああ?」
勘助「これ ええやんな?」
玉枝「う~ん どれどれ?」
勘助「これ。」
玉枝「ああ ほんまや。 ええやん これ。」
勘助「なあ。」
糸子「ちょっと どれ どれ? 見して 見して。 あ ほんまや!」
八重子「はあ ええなあ!」
糸子「ええわ! ええわ これ!」
八重子「品がええし 誰にでも 似合いそうやわ。」
糸子「うんうん。」
八重子「いけるで 糸ちゃん これやったら。」
糸子「うん!」
八重子「なあ!」
玄関
泰蔵「うわっ。」
糸子「ふがっ!」
泰蔵「あ… お前 今 鼻 打ったやろ? おい ちょっと 見せてみ。」
糸子「大丈夫…。 ほな!」
泰蔵「おい 鼻血 出てんで。」
糸子「ああ… 鼻水や。」
小原家
座敷
(絵を描く音)
<うちは その夜のうちに 絵を10枚 描いて 朝一番に出直しました。 今度こそ信用してもらうんです!>
心斎橋百貨店
入口
(鐘の音)
「おはようございます。」
「いらっしゃいませ。」
「いらっしゃいませ。」
糸子「おはようございます! 昨日は どうも!」
「ど どうも…。 」
糸子「支配人さん 来てますか?」
「ああ 来てますけど…。」
糸子「会わせて下さい。 見てほしいもんが あるんです。」
「はあ… あ え けど…。 すんません 昨日 うち あのあとで 支配人に怒られてしもて…。」
糸子「え?」
「『お宅みたいな人を 簡単に上に案内するな』て 言われしもたんです。」
糸子「何で?」
「すんません…。」
糸子「分かりました。 ほな あっちが 下りてくんの 待ちますわ。」
「へ?」
糸子「あの人かて ず~っと あの部屋に いてる訳 ちゃいますやろ?」
「あ まあ そうですねえ。」
糸子「時々 下りてきて 店 見て回ったりしますやろ?」
「そら します。」
糸子「何時頃 下りてきますか?」