あらすじ
危篤を知った糸子(尾野真千子)は隣家に駆け込むが、旅先にいるはずの善作(小林薫)の幻を見たと言われ、死を悟る。3日後、骨つぼを抱えて戻ってきた木之元(甲本雅裕)らを前にし、糸子は世話をかけたとわび、立派な葬式を出すと決意する。通夜でも気丈に振る舞う糸子。だんじりの時の写真を前に、思い出話しに花が咲く。しかし手伝いに来た女性たちは、潤沢にある食料を怪しむ。そうとも知らず改めて善作を思う糸子だった。
67回ネタバレ
小原家
玄関前
糸子「お父ちゃん 何て 言うたん?」
美代「『糸子を よろしゅう頼む』て。」
糸子「待って! 行かんといて! お父ちゃん! 待って お父ちゃん! お父ちゃん! 待ってえ! 行かんといて… お父ちゃ~ん!」
玄関
(小鳥のさえずり)
清子「姉ちゃん! 母ちゃん!」
木之元「お父ちゃん… 帰ってきたで。」
(千代の泣き声)
木岡「堪忍やで 千代さん! 堪忍してや~!」
(泣き声)
<温泉旅行に行ったはずの お父ちゃんが お骨になって 戻ってきました>
居間
木岡「上機嫌やったんや 善ちゃん。 なあ?」
木之元「うん。 ほいでも かなり酔うちゃったさかいなあ。 わしも『今 風呂なんか 入ったら 危ないで。 もうちょっと あとにしいや』ちゅうて 止めたんやけど…。
木岡「いや ちょっと待てや。」
木之元「ああ?」
木岡「お前 止めたりなんぞ してへんやないか。」
木之元「止めたわ。」
木岡「ほんまの事 言えや。 わしら3人 さんざん酔うて 何も考えんと 風呂 ついていっただけやないか。」
木之元「わしゃ『止めた』っちゅうんじゃ!」
木岡「嘘つけ~!」
木之元「止めた!」
奥中「ちょっと やめえや!」
糸子「やめて!」
木之元「止めた~!」
(泣き声)
糸子「お父ちゃんが 世話になりました。 元は ちゅうたら うちが持たせた酒や。 うちの失敗や。 おっちゃんらには 迷惑かけて 申し訳ない事でした。」