連続テレビ小説「カーネーション」第91回「揺れる心」【第16週】

料理屋

三浦「あ~ おおきに。」

糸子「どうぞ 組合長。」

三浦「あ~! いや~ ほんでも いよいよやのう。 新しい時代やのう。」

北村「えっ?」

三浦「新しい時代が 始まるんや。 戦争で焼けてしもたもんなあ。 もう どんな思ても 二度とは 取り返せえへん…。 ほんでも… 新しいもんは まだ… まだ 手に入れる事ができるんや。 お前ら 切り開け! なんぼでも! ほんで また… 新しいもんを見せてくれ!」

(北村の泣き声)

糸子「え?」

三浦「おいおい! 何や おい! 大の男が お前…。 あ~ おい! 布巾ないか? 布巾 その辺に。 ちょっと… こっち くれ。」

(泣き声)

三浦「北村 ほれ これ使い。」

北村「はい…。」

♬~(ラジオ)

♬『口びる よせて だまってみている 青い空』

<北村さんの家に 何で 女がいてへんのか…>

♬~(三味線)

<周防さんは 長崎で どんな目に遭うたんか… 組合長は 何を焼かれてしもたんか…>

♬~(三味線)

<うちは な~んも知らんけど…>

♬~(三味線)

<ほんでも みんなと こないしてるうちに 何や お湯に つかったみたいに…>

♬『リンゴは なんにも』

<心の中から 解けていくもんがありました>

道中

<はあ… うちは 恋しいんやな うちは お父ちゃんが好きでした 勘助が かわいいて しゃあなあて 泰蔵にいちゃんに憧れてたし… 勝さんを 大事に思てました>

(男女の笑い声)

「あ~ オッケー オッケー!」

(笑い声)

<そういう人らを 全部 なくして… 開いた でっかい穴の所に えらい人が 入ってきてしもた>

回想

周防「おいは… あん服ば 格好よかて 思うたと。」

回想終了

糸子「かなんなあ…。」

<恋しいて 恋しいて…>

糸子「人のもんやのに…。」

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