連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第102話「プロダクション旗揚げ」

あらすじ

失敗を繰り返す菅井(柄本佑)は“水木プロをクビになるのでは”と落ち込むが、布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)は、彼のよさを認めていた。源兵衛(大杉漣)の考えで、村井家に安来からいずみ(朝倉えりか)がやって来る。菅井はいずみにときめくが、倉田(窪田正孝)は“仕事の邪魔になられてはかなわない”と、つっけんどんな態度。そのころ「墓場の鬼太郎」のテレビ化をねらう船山(風間トオル)たちに、転機が訪れていた。

102話ネタバレ

水木家

台所

佐知子「茂さんのお仕事に 口を出す気は 毛頭ないんですよ。 けど… 菅井さんは ねえ…。」

布美枝「どうぞ。」

佐知子「これ このコーヒー!」

布美枝「え?」

佐知子「もうちょっとで 仕上がるって時に 原稿に コーヒー こぼすんだもの。」

布美枝「あら! この間は 書き損じと間違えて 出来上がった原稿を ごみ箱に捨てちゃうし 出版社に 届けに行かせたら 電車の網棚に置き忘れて 捜し出すのに 半日掛かりだし…。」

茂「う~ん。」

佐知子「それでも 絵が うまければ いいんですよ。」

茂「とん~でもなく 下手だからなあ。」

佐知子「経理を預かる立場から言うと 同じ給料を払うなら もうちょっと 使える人の方が…。」

菅井「俺… クビか…?」

布美枝「けど 藍子の相手も 嫌がらずに してくれますし ええ人ですよ。」

佐知子「これ 仕事の話ですから。」

布美枝「はい。」

茂「仕事でも ええとこはある。」

佐知子「え?」

茂「『点を打て』と言えば 一日中 点を打っとるし 『渦巻きを描け』と言うと 一日 こう グルグルグルグルグル描いてとる。 根気のよさなら 人には負けん。」

布美枝「そげですね。」

茂「一番 ええのはな… 見とったら 面白いとこだ。」

(風鈴の音)

仕事部屋

菅井「うまいなあ 俺 自信なくしちゃうよ。」

倉田「なんや? 後ろで見られとったら 気ぃ散って あかんわ。」

菅井「クラさん。」

倉田「ん?」

菅井「俺って 絵の才能 ないのかな?」

倉田「そんなん 分からへんわ。」

菅井「けどさ…。」

倉田「ゴチャゴチャ言うてる間に 手ぇ動かして 書いたらええねん。 数 描いとったら ナンボでも うまなる! (机を叩く音) それより 先生 どないしたんや? 『呼んできてくれ』って 頼んだやろ!」

菅井「あ いけね。 もう一遍 行ってくる。」

倉田「あ~ もうええ もうええ。 自分で行って 話してくる。」

菅井「ごめん…。」

(戸の閉まる音)

菅井「小峰さん…。 僕 クビだと思う?」

小峰「そうねえ…。 土壇場で コーヒー こぼしたのが 致命的だったなあ。」

菅井「あれは まずかったなあ。」

小峰「まあ 漫画 描かなくても 人間 生きていけるよ。」

菅井「そんなあ…。」

布美枝「お疲れさまです。 何これ?!」

(セミの鳴き声)

玄関前

菅井「辞めると言っても 誰も 引き止めて くれないんだろうなあ。」

いずみ「あの~ この辺りに 水木プロダクションは ありませんか?」

菅井「水木プロは ここですけど 僕は もう 出ていく人間なので…。」

いずみ「菅井さん?」

菅井「へ?」

いずみ「ひょっとしたら スガちゃんだないかね?」

菅井「え…。」

(戸の開く音)

布美枝「あ 菅井さん! この書き置き…。」

いずみ「やっぱり あんたが スガちゃんか。」

布美枝「いずみ?!」

いずみ「フミ姉ちゃん!」

布美枝「あんた もう 来てくれたの?」

いずみ「うん。 早い方が ええと思って。 姉ちゃん 元気そうだね。」

布美枝「上がって 上がって。」

いずみ「うん。」

菅井「なぜ 僕の名前を…?」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク