連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第36話「1951-1962」【第8週】

安子「うん?」

きぬ「今日は店に戻らんでええで。」

安子「えっ? しゃあけど まだ おはぎが…。」

きぬ「私が売っといたげるから。」

安子「えっ じゃけど…。」

きぬ「安子ちゃん。(小声で)自分が どねんしてんか はっきりさせんといけんよ。」

雉真繊維

(ため息)

回想

千吉「稔じゃったら 言うじゃろう。 安子さんを任せられるんは 勇しかおらんと。」

回想終了

(時計の時報)

離れ

雪衣「貸し付けが通るとええですねえ。」

算太「うん。」

雪衣「そしたら 算太さんも 一国一城のあるじですね。」

算太「雪衣ちゃん。 店を始める家が手に入ったら…。 そこで わしと 一緒に暮らしてくれんか?」

喫茶店・ディッパーマウスブルース

定一「たちばなが復活するんか。 楽しみじゃのう。」

安子「フフフッ。 あっ たちばなは 祖父の代からのお店でした。 しゃあけど… 空襲で焼けてしまいました。 祖父も祖母も 父も母も 亡くしてしまいました。」

ロバート「I’m sorry for your loss.(お気の毒です)」

安子「ああ… すんません。 そねんつもりじゃあ。 I’m okay.(大丈夫です)兄だけは 帰ってきてくれたんです。 お店を立て直すために ず~っと2人で貯金してきました。 本当に楽しみです。 何か… ぼんやり思い描いとった いろんな夢が 一つの形になろうとしょおるみてえで…。」

ロバート「夢。」

安子「どこの国とも自由に行き来できる。 そねえ世の中になってほしいと ずっと思ようりました。」

ロバート「それで 何がしたいですか?」

安子「私が ずっと続けてきたことは おはぎ作りと 英語の勉強です。 私にゃあ それしかできません。 いろんな国の人に たちばなのおはぎゅう食べてもれえてえ。」

ロバート「日本語の分からん人にも おはぎのことや たちばなのこと 日本のええところを伝えてえ。 せえで そねんして生きとる私の姿あ るいに見てもらいてえ。 それで るいが笑うてくれたら… 私は幸せです。」

定一「はい どうぞ。」

安子「ありがとうございます。」

道中

ロバート「Now I understand.(やっとわかりました)The reason your ohagi is so delicious….(あなたのおはぎがおいしいのは あのおまじないのせいだけではありません)It’s not just that spell. It’s the taste of your childhood memories,(あなれはあなたの子どものころの 思い出の味 悲しみの味 それから)your sorrow, and your love for Rui.(るいちゃんへの愛情の味なのですね)Excuse me.(失礼)」

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